顔・手・体など10種のセンシングを実現する組み込みモジュール「HVC」発売、オムロン:CEATEC 2013
オムロンは、人の状態を認識する画像センシング技術「OKAO Vision」の10種類のアルゴリズムとカメラモジュールを一体化した、組み込み型の画像センシングコンポ「HVC(HumanVision Components)」を開発。標準タイプ品を2013年12月に、業界特化タイプ品を2014年度以降に順次発売する予定だという。
オムロンは2013年9月17日、人の状態を認識する画像センシング技術「OKAO Vision」の10種類のアルゴリズムとカメラモジュールを一体化した、組み込み型の画像センシングコンポ「HVC(HumanVision Components)」を開発したと発表した。標準タイプ品を同年12月に、各業界向けに必要機能を最適なハードウェア/光学系で実現した業界特化タイプ品を2014年度以降に順次発売するという。
近年、人が快適に感じる温度に自動設定してくれるエアコンや、購入者に最適な商品をオススメする自動販売機、ドライバーを認識する自動車など、画像センシング技術を用い、人の状態などを認識する機器が登場・普及しつつある。しかし、こうした高度なアルゴリズムを組み込み機器に実装するには、CPU性能やメモリ容量などのリソースの制約をクリアする必要があり、実現のためにはハードウェア/ソフトウェアの両方の知識が求められるだけではなく、多くの開発時間を必要としていた。
こうした課題に対し、HVCは、それ単体で画像解析までを完結できるため、機器のCPU性能などに関わらず、取り付けるだけで高精度に人の状態認識が行える。サイズは60×40mm。電源電圧は5Vで、入出力インタフェースとしてUART(3.3V)を備える。機能面では、OKAO Visionのアルゴリズムにより、「顔検出」「人体検出」「性別推定」「年齢推定」「視線推定」「顔向き推定」「顔認証」「表情推定(満足、不満足/喜び、驚き、怒り、悲しみ、無表情の5つの表情)」「手検出」「目つむり推定」の10種類の機能を利用できる。
適用例としては、人の位置や人数、性別・年齢・個人を特定した空調制御が行えるエアコン。性別や年齢に加え、顔の向き、視線、表情から興味・購買行動を推定するPOS/自動販売機。ハンドジェスチャーや視線などを用いて操作する食品製造装置。人の身振り手振りや表情に合わせて動くペットロボット。顔認証で入退出できる入退室管理システムなどが考えられるという。
同社は、従来のソフトウェア製品に、HVCをラインアップに加えることで、手軽に画像情報を活用したいという市場ニーズを取り込み、人画像センシング事業の拡大を目指すという。なお、2013年10月1〜5日に開催の「CEATEC JAPAN 2013」において、同製品の展示が行われる予定だ。
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