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VTRヘッドシリンダベースの“いまいちな設計”を発見しよう甚さんの「バンバン板金設計でキャリアアップ」(14)(2/3 ページ)

“VTRの心臓部”ともいえるヘッドシリンダベースはとても複雑。今回は、この板金部品の“いまいちな設計”を見付けてみよう。

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今回の課題は、“VTRの心臓部”

 甚さんが言う、難しい課題とは、今や、ほとんど見掛けなくなったVTRデッキです。その詳細図が図1です。大事な機能を担う、“VTRの心臓部”ともいえるヘッドシリンダベースは、樹脂フレームのA部、B部、C部の3点で固定されています。


図1 VTRデッキを分解:「ついてきなぁ! 加工部品設計で3次元CADのプロになる!」(日刊工業新聞社刊)より
甚

この先、ヘッドシリンダベースに関して、詳しく解説するぜぃ! 覚悟はできているんだろうな。


エリカ

はい!


良

モチのロンです! そして、これがVTRの心臓部か!



図2 VTRヘッドシリンダベースの詳細写真:「ついてきなぁ! 加工部品設計で3次元CADのプロになる」(日刊工業新聞社刊)より
良

まるで、ロボットのように複雑ですね。もしかしたら、ロボットの前身かもしれませんね。


甚

関心してねぇで、図2を解説してみろ!


良

分かりました。え〜と……


 “VTRの心臓部”のヘッドシリンダベースは、樹脂フレームのA部、B部、C部の3点で固定されています。ただし、A部とB部には、樹脂フレームから位置出しのピンが設けれ、そこに、板金製のヘッドシリンダベースの位置決め長穴がはまります。C部だけが、ねじ穴の固定のみです。


図3 VTRヘッドシリンダベースの3次元CAD(筆者設計)
良

うーむ。C部の形状は、ちょっと残念ですねぇ。


甚

C部の形状が残念とは、よく気が付いたじゃねぇかい? あん?


良

えへへ。あと、どうして、曲げを入れたんでしょうね。しかも、2回曲げですよ。


甚

そんじゃ、理想形状はどうだ。エリカちゃん、答えてみろ!


エリカ

図4のこれでどうですか? C部は2回曲げの必要があったかもしれないけど、ヘッドシリンダはVTRの心臓部というなら、板金材料の平面度をそのまま生かした方が無難だと思いますけど。



図4 VTRヘッドシリンダベースの理想形状(筆者設計)

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