2015年の自動車のボディカラーは何色が流行る? 2トーン/3トーンにも注目:車両デザイン(1/2 ページ)
ドイツの化学大手BASFは、2〜3年先の自動車のカラートレンド予測を発表した。BMWの「MINI」やホンダの「N-ONE」など、“プレミアムコンパクト”と呼ばれるような小型車に用いられている2トーン/3トーンカラーに関する予測も行った。
ドイツの化学大手BASFの日本法人・BASFジャパンは2013年7月3日、東京都内で記者会見を開き、2〜3年先の自動車のカラートレンド予測を発表した。アジア太平洋地域では、ライフスタイルや車種の多様化によって、洗練された中間色が豊富になり、ファッション性のある有彩色が新興国で少しずつ求められるようになるという。
BASFは、コーティングス事業部が扱う塗料を自動車向けに展開している。BASFジャパンの常務執行役員で機能性材料統括本部のコーティングス事業部を担当する佐藤昭彦氏が、「BASFジャパンのコーティングス事業部の売上高のうち、自動車や二輪車向けの塗料が70%を占める」と語るように、BASFは自動車向け塗料の有力企業として知られる。同社が毎年行っている自動車のカラートレンド予測は、アジア太平洋、欧州、北米に置くカラーデザインセンターが、1つの基本テーマを基に、グローバルと各地域の2つの視点から時流を読み解き、決定している。アジア太平洋地域のカラーデザインセンターは、BASFジャパンのコーティングス事業部に設置されており、自動車のカラートレンド予測も同事業部が中心になって行っている。
2013年の基本テーマは、新たな価値観をもって現状を打破し、未来に向けたビジョンの実現へ突き進む「Making Headaway(前進)」である。BASFジャパンのコーティングス事業部でカラーデザインセンター アジア・パシフィックのチーフカラーデザイナーを務める松原千春氏は、「突進するイメージではなく、力強く一歩ずつ前に進むイメージ」と説明する。自動車のカラートレンド予測では、この基本テーマから想起される、3つの共通テーマと地域別のテーマを設定し、それぞれのテーマにふさわしいカラーを幾つか挙げるのだ。
今回の共通テーマは、格差社会やエネルギー問題に対応するために生まれる新しいライフスタイルに合わせた多種多様な空間を意味する「MULTIVERSE(Multi+Universe:多元空間)」、社会と協調しつつ自らの意思に忠実に歩む「SYNCOPACE(Syncopation+Pace:個々のスタイル)」、デジタル社会から抜け出し、ひとときの休息をとりながら人間らしい生活を取り戻す「DEQUALIZE(Detour+Equalize:バランス)」の3つ。地域別テーマは、アジア太平洋が「WITH PRIDE(プライドを胸に)」、欧州が「IN SOBRIETY(冷静な態度)」、北米が「ASPIRE TO(熱望するもの)」となっている。
MULTIVERSEでは、3地域共通で青系や黒系を中心としたカラートレンド予測となった。SYNCOPACEでは、アジア太平洋がおとなしめ、欧州が暖かめ、北米が鮮やかなカラーが選ばれた。DEQUALIZEは、全体的に彩度が強めのカラーとソリッド調が主流になったという。
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