ディーゼル排ガスのPMを50%削減、デンソーの「世界最高圧」コモンレール:エコカー技術
デンソーは、ディーゼルエンジンの燃料噴射システムであるコモンレールシステムについて、「世界最高」(同社)となる最大2500気圧(250MPa)の燃料噴射圧力を実現したと発表した。従来システムと比べて、車両の燃費を3%向上するとともに、排気ガス中に含まれる有害物質であるPM(粒子状物質)を50%、窒素酸化物を8%削減できる。
デンソーは2013年6月26日、ディーゼルエンジンの燃料噴射システムであるコモンレールシステムについて、「世界最高」(同社)となる最大2500気圧(250MPa)の燃料噴射圧力を実現したと発表した。従来の2000気圧のシステムと比べて、車両の燃費を最大3%向上するとともに、排気ガス中に含まれる有害物質であるPM(粒子状物質)を最大50%、NOx(窒素酸化物)を最大8%削減できるという。2013年から、乗用車や商用車に加えて、農業機械、建設機械などにも展開していくという。
燃料噴射圧を2000気圧から2500気圧へ
ディーゼルエンジンのコモンレールシステムの燃料噴射圧を高圧化すると、噴射される燃料はさらに微粒化されて着火性と燃焼状態を改善できるので、燃費向上と排気ガスのクリーン化が可能になる。今回発表した2500気圧のコモンレールシステムは、デンソーの第4世代品となる。部品の構造見直しや材料の改良によって、燃料噴射圧を第3世代品の2000気圧から大幅に高めた。
今回の第4世代品は、噴射圧を高める際に必要となる燃料ポンプの大型化を抑えるための工夫も取り入れた。コモンレールシステムでは、燃料ポンプからインジェクタ(燃料噴射装置)まで送られる燃料のうち、一部がエンジンの燃焼室に噴射されずシステム構成部品の潤滑などに使用され、その後で燃料タンクに戻される。第4世代品は、インジェクタ、燃料ポンプ、コモンレールの構造を改良することにより、燃料タンクに戻されていた燃料を第3世代品と比べて約9割削減し、燃料ポンプに掛かる負荷を大幅に低減している。これによって、燃料ポンプは第3世代品と同等サイズを維持できたという。
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