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「技術者としてもう一花」を望むなら、中小企業への転職に一考の価値:メーカーで働く幹部クラスのための転職術(2/2 ページ)
もう1度技術者として活躍したいベテラン技術者にとって、受け皿になり得るのが中小企業への転職。ただ甘い気持ちで転職していては、1年持たずに退職してしまう恐れも。
ベテラン技術者を国内にとどめたい。求職者・採用企業双方の意識変化が必要
中小企業への転職には、このような難しさがあるわけですが、もう1つ課題があります。それは外部からの人材採用に積極的な中小企業が少ないことです。
優れた技術を持つ中小企業も多いのですが、大企業の方が優れたところもたくさんあります。中小企業が人材採用する際には、お金の掛からないハローワークに頼りがち。ですが、ハローワークでは有益な技術・ノウハウを持つ大企業出身の技術者を採用できる可能性はかなり低いです。
一見、お金が掛かるように見えますが、有益な技術・ノウハウを持つ技術者を採用できれば、採用に掛かった費用以上の利益をもたらしてくれます。「採用費に使った金額の何百倍ものリターンがあった」「今まではできなかったことができるようになった」と当社経由で大企業出身者を採用して、感謝の言葉を寄せてくださった企業もたくさんあります。
私としては、日本のモノづくりを支えてきたベテラン技術者にさらに活躍してもらいたいです。日本の競争力を維持・向上させていくため、中小企業にもっとベテラン技術者の受け皿になってほしいのです。そのためには、求職者側と採用企業側、双方が考え方を変えていく必要があるのかもしれません。
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