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「3Dプリンタによる量産」は近い将来に起こり得るのか。求人動向から考えるニュースからひもとくエンジニア求人動向(1/2 ページ)

3Dプリンタ関連のニュースが日々の紙面を飾るようになってきました。海外3Dプリンタメーカーの求人情報が日本でも登場してきましたが、国内メーカーの生産技術関連の求人情報を見る限り、「3Dプリンタ」というキーワードは見受けられません。

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本記事は人材紹介会社「メイテックネクスト」河辺真典氏からの寄稿です。



試作工程や特定用途で価値を認められた3Dプリンタ

 書籍『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』が日本で発売されてから半年以上経ちました。3Dプリンタが注目されるようになり、「モノづくりを変えるかもしれない」とテレビ番組でも取り上げられるようになっています。

 筐体などに使用される樹脂製品の多くは3Dプリンタを製品開発の試作工程に導入することで、試作用金型が必須のものではなくなります。試作に掛かる期間・コストの削減につながり、製品開発の効率が上がると言われています。

 あるいは3Dプリンタでないと形作ることが難しい複雑な3次元構造の製品や、一品一様の人工骨・インプラントなどの医療用途への展開も、3Dプリンタに期待されているところです。

3Dプリンタ関連の求人情報、どれくらい出てきているのか

 それでは中途採用の市場において、3Dプリンタ関連の求人情報がどれくらい出てきているのか、現状をご紹介しましょう。

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3Dプリンタメーカーの求人情報

 先行する海外の3Dプリンタメーカーの求人情報が日本でも登場してきています。今後のマーケット展開を見据えて、アプリケーションエンジニアやサービスエンジニアを採用する動きが出てきています。ですが、現段階では大掛かりな採用ではありません。

 一方、3Dプリンタの開発を粛々と進めているであろう国内の産業機械メーカーにおいては、「3Dプリンタ開発」と明確に打ち出した求人情報は見当たりません。ただし、以前からあった光造形技術関連の求人情報まで含めると、「ない」とも言い切れない状況です。

3Dプリンタ導入を検討する国内メーカーの求人情報

 自動車業界を中心に、国内メーカー各社から生産技術エンジニアの求人情報が多数寄せられています。しかし、そのほとんどは従来の製造方法に基づいた工程をイメージさせる求人情報。量産向けの生産技術求人に「3Dプリンタ」の文字は見当たりません。

 ただ詳しく見てみると、気になるタイトルの求人情報が見つかりました。しかも、複数のメーカーからです。「生産技術開発」「生産革新」など、ある特定の部位や工程の生産技術を担当するのではなく、社内の横断組織として、もしくは横断テーマとして自動化や革新的な工法の開発を期待する業務内容になっています。

 各社がどのようなテーマに取り組んでいるかはオープンにされていません。3Dプリンタがテーマにあがっているかは不明ですが、製品開発同様、モノづくりの現場においても、新たな技術革新を期待していることは明らかです。

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