2015年、お弁当箱もネットにつながる!?――Webとリアルの融合が生んだ「オベントーバコラー」:クラウド×Android×Arduino=(3/3 ページ)
身の回りのあらゆるモノがネットワークを介して接続され、相互連携する世界、“モノのインターネット(IoT:Internet of Things)”。小さなセンサーデバイスはもちろんのこと、自動車や白物家電、そして、“お弁当箱”までもがネットの世界と融合していく……!?
オベントーバコラーは1つのカタチにすぎない
MONOist オベントーバコラーは、リアルタイムWebの技術を追求してきた立場から、IoTでどんな新しいUXを提供できるのかという位置付けで開発されたものですが、今後の方向性などはどのようにお考えでしょうか?
北口氏 はい。実は、オベントーバコラーの開発には、「Real Socket Framework(RSF)」という当社のリアルタイムWeb技術のノウハウが凝縮された、Arduino×Android×クラウドを対象とした、IoTプロダクト開発を支援するためのフレームワークが活用されています。オベントーバコラーのように、複数の端末で同じ画面や情報をネットワーク越しに共有する場合、データを同期しなければなりません。そこが結構複雑だったりするのですが、RSFであれば、さまざまなデバイスにおいて、共通のAPIを使用することでリアルタイムWeb通信処理やデータ同期を簡単に実現できます。
もちろん自力でも同じように開発できますが、Web技術が得意な企業はハードウェア周りが弱かったり、ハードウェア技術が強い企業はWeb周りが弱かったりといったことがよくあります。そういった場合に、RSFを活用してもらえば、複雑な実装なしに、Webとハードウェアを簡単につなぐことができます。それと、将来的には、Android以外のモバイルOSやArduino以外のハードウェアのサポートも計画しています。
現在、2013年7月のβ版リリースを目指し、RSFのトライアルユーザーを募集中(2013年6月12〜30日)です。希望としては、まず、できるだけ多くの皆さんにRSFをたくさん使用してもらい、いろいろなIoTプロダクトのカタチを生み出してもらいたいと考えています。既にお分かりだと思いますが、今回紹介したオベントーバコラーは、皆さんにRSFを使ってもらうには、まず何より自分たちでカタチを示さなければならないという思いから試作したプロダクトなのです。今後の状況次第ではありますが、もしまた自分たちで取り組む機会があれば、次はより製品化を意識した第2、第3のオベントーバコラーの開発にも挑戦してみたいですね。
MONOist 本日はありがとうございました。個人的にはオベントーバコラーに続く、インパクトのあるプロダクトを早く見てみたいので、次のチャレンジにも期待しています!
北口氏 はい(笑)。ありがとうございました。
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