「ITSの普及を加速する」、国会議員がITS世界会議の東京開催に向けて決意表明:ITS世界会議
「第20回ITS世界会議東京2013」の開催に向けて、同会議の成功に協力する国会議員の会の総会が衆議院議員会館で開かれた。総会に参加した議員は、政財界が一致団結して、グローバル市場におけるITS(高度道路交通システム)の普及促進を一層加速していく決意を表明した。
「『第20回ITS世界会議東京2013』を成功させる議員の会」総会が2013年5月29日、東京都内の衆議院議員会館で開かれた。総会では、関係する府省庁やITS Japanなどから、ITS(高度道路交通システム)関連の取り組みや世界会議に向けた検討事項などが報告された。最後に、総会に参加した国会議員が、政財界が一致団結して、グローバル市場でITSの普及促進を一層加速していく決意を表明した。
ITS世界会議は、日本のITS Japan、米国のITS America、欧州のERTICOが中心となって毎年10月に開催している、ITS(高度道路情報システム)関連技術の世界会議である。節目の年となる20回目の今年は、2013年10月14〜18日に、東京国際フォーラムおよび東京ビッグサイトを会場に開催される(関連記事:地域ITS情報センターなど日本の先進事例を発信、2013年東京開催のITS世界会議)。
総会の会場には、同議員の会の共同代表を務める自由民主党の山本有二氏、民主党の直嶋正行氏、公明党の井上義久氏らに加え、同議員の会の立ち上げに関与した自由民主党の綿貫民輔氏らも参加した。なお、同議員の会には74人の国会議員が所属している。
総会では、内閣官房や内閣府、警視庁、総務省、経済産業省、国土交通省の道路局と自動車局、および東京都の各担当者より、安全運転支援システムの開発/実用化についての報告や、第20回ITS世界会議東京2013に向けた取り組みの状況、実施予定のデモ内容について概要が紹介された。
ITS Japanからは、会長を務める渡邊浩之氏のあいさつに続き、専務理事を務める天野肇氏が、今回のITS世界会議で予定されている、「世界のITSリーダーによる公開ディスカッション」のテーマなどを紹介した。同ディスカッションでは、「自動運転と協調型運転支援システム」や「ITSビッグデータの可能性」(いずれも仮題)などについて意見が交換される予定だ。さらに、閣僚級による「交通関連政策ラウンドテーブル」の実施に向けて、日本政府に協力を呼びかけた。
最後に議員の会は、今回の会議の成功に導くだけにとどまらず、日本が得意とするITS技術を海外にも普及させることで、日本の産業競争力の向上を図っていく決意を表明した。
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