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地域ITS情報センターなど日本の先進事例を発信、2013年東京開催のITS世界会議ITS世界会議

2013年10月に東京で開催される「第20回ITS世界会議 東京2013」。プローブ情報を市町村レベルで活用できる「地域ITS情報センター」など、日本の先進的な事例を世界に発信する予定だ。

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ITS世界会議 東京2013

 「第20回ITS世界会議 東京2013」の日本組織委員会は2012年10月3日、東京都内で記者会見を開き、2013年10月に開催する同会議で扱うトピックスについて説明した。

 ITS世界会議は、日本のITS Japan、米国のITS America、欧州のERTICOが中心となって毎年10月に開催している、ITS(高度道路情報システム)関連技術の世界会議である。2013年に東京で開催されるITS世界会議の開催期間は2013年10月14〜18日の5日間。10月14日に開会式を東京国際フォーラムで、10月15〜18日にセッション/展示会/閉会式を東京ビッグサイトで行う。ITS関係の専門家の目標参加者数は60カ国/8000人。展示スペースは700小間、セッション数は250、投稿論文数は1000部を予定している。

 2011年10月には、先述した概要や、「Open ITS to the Next」という開催テーマが決定している(関連記事1)。今回の会見では、開催テーマに合わせて決定した、以下の7つのトピックスを紹介した。

  • 交通安全・渋滞の解消へのさらなる取り組み
  • 持続可能な交通社会の実現に向けた次世代モビリティへの取り組みとエネルギーマネジメントとの融合
  • メガシティにおける人とモノの移動の効率化
  • 人の移動・モノの輸送におけるインターモーダル・マルチモーダル
  • モバイル機器を用いたモビリティのための個人向けサービス
  • レジリエントな交通社会システムの構築
  • グローバル連携や共通の課題解決に向けた取り組み
ITS Japanの渡邉浩之氏
ITS Japanの渡邉浩之氏

 日本組織委員会の委員長でITS Japanの会長を務める渡邉浩之氏は、「来年の会議では、3つのテーマで日本が取り組んできた先進的なITSの事例を発信したい。1つ目のテーマは、東日本大震災などの災害から得た災害対策に役立つITSである。2つ目は、交通事故死者数ゼロに向けた取り組み。3つ目は、成長著しいアジア地域の規範となる、経済発展、環境対策、メガシティの交通の在り方である」と語る。

 また、ITS関係の専門家以外に、一般の地域住民や学生が参加できるように、会議や展示の一部を無料公開する方針も固めた。

地域ITS情報センターとミリ波レーダーの標準化

 会見では、これら3つのテーマに関連する、ITS Japanを中心とした国内の取り組みも紹介した。

 1つ目の災害対策に役立つITSでは、プローブ情報(走行中の車両の位置情報と速度データから得られる交通情報)を用いた「自動車・通行実績情報マップ」が、東日本大震災の被災地への災害物資搬送などに役立ったことが知られている(関連記事2)。

 ITS Japanは、自動車・通行実績情報マップの情報が、各地域の住民の生活と最も密着している市町村にとって活用しにくかったという課題を踏まえて、新たに「地域ITS情報センター」という取り組みを始めている。

 この地域ITS情報センターとは、国や県が扱う公的な交通情報に加えて、民間企業のプローブ情報などを共通のクラウドプラットフォーム上に統合したもの。各市町村の行政担当者は、平常時の住民サービス(町おこしイベントでの活用、交通事故が発生しやすい地点の周知)や、災害発生時の交通情報提供などに利用できる。2013年4月からは、地域ITS情報センターを使ったサービスが国内の数都市で試験的に始まる予定である。

地域ITS情報センターの概要
地域ITS情報センターの概要。左下の民間収集情報、右下の公的収集情報を、左上の共有プラットフォームに統合することで、右上にある市町村や民間の情報サービスに活用しやすくなる。(クリックで拡大) 出典:ITS Japan

 2つ目の交通事故死者数ゼロに向けた取り組みでは、ミリ波レーダーの標準化に関する取り組みが進んでいる。渡邉氏は、「自動車の自動運転を実現するには、まずミリ波レーダーを使った安全システムの技術が確立されなければならない。そこで、現在各社で異なっているミリ波レーダーの使い方を、2015年までに統一したいと考えている」と述べる。

 例えば、前方車両との衝突を回避するプリクラッシュシステムにおけるミリ波レーダーの使い方は、車間距離を維持するか、前方車両との相対速度をゼロにするかのどちらかになっている。「こういった仕様の相違を一本化することで、ミリ波レーダーを使った安全システムの開発が容易になり、コストも低減できるようになる」(同氏)という。

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