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ベテラン人材にとっての有力な選択肢。ヘッドハンティング会社にできること/できないことメーカーで働く幹部クラスのための転職術(2/2 ページ)

ハローワークや転職情報サイトなど、さまざまな転職手段がある中で、あまり実態を知られていないのがヘッドハンティング会社。人材紹介会社との違いなど、ヘッドハンティング会社に期待できるところ/できないところを紹介する。

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利用する利点は、可能性を広げられるところ

 ヘッドハンティング会社の実情をネガティブなところも含めて包み隠さずにお話ししてきましたが、もちろんヘッドハンティング会社を利用する利点もあります。それは転職希望者の可能性を広げられるところです。

 例えば、冷蔵庫の機構を設計できる技術者を求めていたメーカーがありました。弊社のコンサルタントがその会社にご紹介したのは家具の設計をしていた技術者でした。冷蔵庫と家具、まったくの異業種ではありますが、冷蔵庫の野菜室や冷凍室は滑らかに引き出せる必要がありますし、冷蔵室のドアにしてもきっちりと閉まるサイズに仕上げないといけません。ほかの家電製品の設計をしていた技術者よりも、タンスなどの家具の設計を経験してきた技術者の方がフィットしたのです。ご紹介したメーカーの方からもこれまでの経験・実績を評価されて、採用に至りました。それどころか、家具メーカーで働いていた視点から、新たなアイデアを職場に持ち込めるのではないかと期待されていた面もあったほどです。

 このようなことができたのも、ヘッドハンターのほとんどが、実務や技術に詳しいからです。当社で働くヘッドハンターは、ソニー、NECなど、電気、半導体、IT、機械、自動車、化学分野で活躍してきた元技術者が多いです。かくいう私自身も、もともとはソニーの技術者。欧州における技術分野の責任者として、ドイツでの拠点立ち上げを担当し、企画・開発・製造・品質管理の統括を務めました。

 「CMOS関連の求人」と言われても、CMOSのセンサが分かる技術者が欲しいのか、CMOSデバイスに詳しい人材が欲しいのか、またはCMOSセンサのプロセスの人材が欲しいのか、企業は深く掘り下げたピンポイントの要求をしてきます。単に「CMOS」をキーワードに人材を探すのではなく、「CMOSの何の何が求められているのか」まで理解した上で人材を探して企業に紹介するのがヘッドハンティング会社としての弊社の得意とするところです。企業は貴方の能力のみならず、ピンポイントでの経験を強く要求しますので、あなたの得意/不得意なところをより理解することが重要です。また貴方の得意とする分野に強いヘッドハンティング会社を見つけることが、あなたの適切な転職手段を見つける重要なことです。

プロフィール

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田辺 晃(たなべ あきら)

キャリア・デベロプメント・アソシエイツ株式会社 代表取締役。慶應義塾大学工学部卒業後、ドイツ留学を経て、ソニーへ入社。ドイツ工場で技術責任者などを歴任し、グループの人材紹介事業に従事。05年事業休止に伴い、独立。CDAを設立した。


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