トイレの“見える化”を実現!? 洗浄水量をスマートに管理する「AQUA-Remoni」:コスト削減からマーケティング活用まで
NTTファシリティーズと木村技研は、遠隔での洗浄水量データ管理・設定変更、異常検知、トイレ利用人数のデイリーリポートを実現する「AQUA-Remoni」を開発した。今後1年間で、全国のトイレブース1万箇所への導入を目指すという。
NTTファシリティーズと木村技研は2013年5月27日、トイレの洗浄水量を遠隔で最適化するサービス「AQUA-Remoni(アクア・リモニ)」を開発し、同年6月より全国展開すると発表した。
同年5月7日より、浅草寺およびNTT関連ビルで先行導入を開始しており、その実績を踏まえ、今後1年間で日本全国のトイレブース1万箇所への導入を目指すという。
流量センサー付き節水バルブ(過剰水量防止装置)「AQUA-ACE(アクア・エース)」を販売する木村技研は、これまで、商業施設、オフィスビル、駅舎や学校などに対して、トイレの洗浄水量を計測し、最適化するサービスを提供してきた。しかし、計測データの収集や洗浄水量の設定は、毎月設置現場を訪れる点検員が行う必要があったため、きめ細やかな洗浄水量の設定変更やデータ管理を随時行うのは困難であったという。
こうした課題に対し、NTTファシリティーズは、インターネットを活用したエネルギーモニタリングサービス「Remoni(リモニ)」を活用し、AQUA-ACEをクラウドに接続。これをAQUA-Remoniとし、遠隔での洗浄水量データ管理、洗浄水量の設定変更に加え、トイレブース内の異常遠隔検知、トイレ利用人数デイリーリポートを実現した。
AQUA-Remoniの導入効果は大まかに分けて4つある。
1つは「ランニングコストの低減」だ。トイレの洗浄水量をネットワーク経由で常時適切にコントロールし、節水バルブの節水効果を最大化することで、従来のトイレ洗浄水量を約半分に抑えられるという。同時に、給水ポンプの消費電力量も削減され、節電およびCO2削減効果が得られる。もう1つが「安全性強化」である。トイレ内での急病・事故などによる利用者の長時間滞在や漏水を検知。ビル管理者に対し、アラートメールを送信する。これにより、トイレブース内での異常を早期に発見できる。3つ目が「環境性能評価の向上」だ。高い節水効果により、節水量を評価項目としている不動産環境性能評価で高評価を獲得できる。なお、登録申請に必要なデータは、遠隔モニタリングにより取得可能。そして、最後が「マーケティング指標の提供」である。利用者数をトイレブースごとに集計し、任意に設定した単位でリポートしたり、利用者数からイベントの評価やマーケティングなどに活用したりできる。
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