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新型「Sクラス」は半自動運転も可能、路面に合わせてサスペンションも制御ジャンボジェット機工場でワールドプレミア(3/3 ページ)

エアバスのジャンボジェット機工場でワールドプレミアを行った新型「Mercedes Benz S-Class(Sクラス)」。時速60km以下での部分的自動運転を実現する「インテリジェント・ドライブ」や、路面の凸凹をステレオカメラで検知してサスペンションを制御する「マジック・ボディ・コントロール」などダイムラーの最新技術が数多く搭載されている。

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インパネには12.3インチの液晶パネルを2個搭載

 安全性能や環境性能とともに、快適性もSクラスの真骨頂だ。インストルメントパネルには12.3インチサイズの液晶パネルが2個組み込まれている。運転席正面の液晶パネルには、速度計や回転計といった計器類をはじめ、運転に必要な情報が表示される。一方、その隣のヘッドユニット側にある液晶パネルには、カーナビゲーションシステムやカーオーディオなどの画面が表示される。この液晶パネルにはプリズムが入っており、運転席側からはナビゲーション画面だけが見え、助手席側からは映像だけが表示されるなど、1つの画面で2つのコンテンツを運転席と助手席に個別に展開できる。

「Sクラス」の運転席
「Sクラス」の運転席。インストルメントパネルには12.3インチサイズの液晶パネルが2個組み込まれている(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 2007年に発表されたCクラス以降、三菱電機製を採用していたカーナビゲーションシステムは、Harman製のクラウド対応型のものに置き換わった。各種アプリをダイムラーが独自に開発し、音楽アプリとの連動やSNSへの投稿など、さまざまな機能を後から付加することもできる。

 開発のベースがロングボディというだけに、居住空間の快適性はどの座席に座っても文句の付けどころがない。外形寸法は、全長5246(ショートは5116)×全幅1899×全高1483mmと、ボディサイズの拡大を最小限に抑えつつ、運転席はヘッドルームを+12mm、ショルダールームを+14mm、エルボールームを+10mm拡大した。後席でも、ニールームが+14mm、ショルダールームも+9mm拡大している。

 後席の快適性は特筆に値するだろう。最大43度までリクライニングするシートバックを倒して、センターコンソールを開けて折り畳み式のテーブルを出すと、まるで飛行機のビジネスクラスに座っているかのようだ。

快適性を高めた「Sクラス」の後席
快適性を高めた「Sクラス」の後席(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 ホットストーン・マッサージからインスピレーションを受けたというシートマッサージ機能は、日本でも人気の装備になりそうだ。ヒーターと空気圧で、ツボを集中的に刺激してくれる。各座席で独立して空調を調整できるのはもちろん、4種類の成分から選ばれた香りがそのときの気分にあわせて空調から吹き出す仕組みもある。言葉で聞くと、つい笑ってしまいそうになるが、実際に良い香りがする心地よい風が車室内を吹き抜けて、背中を暖めながらマッサージしてもらうときの快適さは、言葉では表現しきれない。

「Sクラス」のシートマッサージ機能
「Sクラス」のシートマッサージ機能(クリックで拡大) 出典:メルセデス・ベンツ日本

 その他、ヘッドランプへのLEDの採用により車載照明が全てLED化された。ヘッドランプには、広範囲に渡って視野を確保しつつ、対向車の防眩を行うシャッター付きロー/ハイ自動切り替えの「アダプティブハイビームアシストプラス」、歩行者や動物が現れるとナイトビューに切り替えて危険箇所を知らせる「ナイトビューアシストプラス」なども装備している。

 ドイツ本国での価格は、「S350ブルーテック」ショートモデルの7万9789.50ユーロ(約1055万円)から、「S500」ロングモデルの10万7635.50ユーロ(約1423万円)となっている(税込み)。日本では2013年末までに発売される見込みだ。

筆者紹介

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川端由美(かわばた ゆみ)

自動車ジャーナリスト/環境ジャーナリスト。大学院で工学を修めた後、エンジニアとして就職。その後、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスの自動車ジャーナリストに。自動車の環境問題と新技術を中心に、技術者、女性、ジャーナリストとしてハイブリッドな目線を生かしたリポートを展開。カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の他、国土交通省の独立行政法人評価委員会委員や環境省の有識者委員も務める。



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