厳選採用の傾向続く。設計・開発エンジニアを募集する企業が求める応募要件とは:製造業エンジニア、転職活動の心得(2/2 ページ)
景気の底は脱したものの、製造業エンジニアを求める求人情報の応募要件は厳しく、厳選採用の傾向が続いています。そんな状況下、企業からは実際にどのような要件が求められているのか、最近のトレンドを紹介します。
変わらぬキャリアアップの近道、「同じ業界での転職」
年収や職位を上昇させたいという人にとっては、景気の良しあしにかかわらず、今まで経験してきたフィールドで転職をした方が成功の可能性が高い、といえます。
企業にしてみれば、類似の業界・製品を扱っていた人材や同業他社から来た人材に対する評価は高いですし、転職をする方にとっても、今までの経験・知識をすぐに生かせる分、パフォーマンスを出しやすいといえるでしょう。
そう考えると、前述のように領域が限定されていたり、求められる経験年数が長くなっていたりしても、自分がその要件を満たしているのであれば、キャリアアップのための転職の可能性は、それほど変わらないのかもしれません。
また、メーカーの場合、給与テーブルが年齢・職階によってある程度固定されている企業が少なくありません。そのため、景気の良しあしにかかわらず、給与のレンジが変わらないケースが多いのです。
もちろん、賞与の額については会社の業績によって上下しますので、提示される想定年収は低くなるかもしれません。しかし、所属している企業でも支給額が下がっていることを考えると、転職の際に提示される年収・給与のアップ額が減少したとしても、実質的な上昇額は変わらない、もしくは上昇すると考えられます。
評価の高い「現場のリーダー」は時期を逃すな
求人情報の公開に敏感になっている企業が増えているように感じます。採用情報を一般には公開しないことを条件に、人材紹介会社を通じて採用しているケースもあります。そのため、企業のWebサイトには公開されていなくても、人材紹介会社経由などで採用している企業があるのは事実です。
もしかしたら、経験を生かせる企業がない、というケースがあるかもしれません。しかし、転職するに当たって高く評価される現場のリーダー――ある程度の経験・知識を持ち、最初から管理職として入るのではなく、入社後に現場で仕事の進め方、風土などを知った上で、将来的には管理職としてのキャリアを積むことのできる人――は、景気の状況に流されて尻込みせずに、チャレンジしてみるとよいと思います。
ただし現在、転職活動をするのであれば、注意すべきことがあります。可能な限り、辞めてからではなく、在職中に転職活動を行ってください。
採用されることがなくても、自分の力を否定されたことにはなりません。採用されないことを恐れてチャンスを逃すことこそ、もったいないことのように思います。転職はご縁ですから。
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