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「HTML5対応とOSの堅ろう性が強み」、QNXがルネサスと車載情報機器で協力拡大車載情報機器

QNXソフトウェアシステムズは、ルネサス エレクトロニクスと車載情報機器向けの事業展開における協力関係を拡大すると発表した。QNXの車載情報機器向けアプリケーションプラットフォーム「QNX CAR」が、ルネサスの車載情報機器向けSoC(System on Chip)「R-Carシリーズ」をサポートするとともに、R-Carシリーズのパートナープログラム「R-Carコンソーシアム」にQNXが参加する。

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QNXがルネサスと車載情報機器で協力拡大

 QNXソフトウェアシステムズ(以下、QNX)は2013年5月7日、東京都内で会見を開き、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)と車載情報機器向けの事業展開における協力関係を拡大すると発表した。具体的には、QNXの車載情報機器向けアプリケーションプラットフォーム「QNX CAR」が、ルネサスの車載情報機器向けSoC(System on Chip)「R-Carシリーズ」をサポートするとともに、R-Carシリーズのパートナープログラム「R-Carコンソーシアム」にQNXが参加する。

 ルネサスとQNXの協業開始は1998年にさかのぼる。以降、ルネサスの車載情報機器向けSoCを、QNXの組み込み機器向けリアルタイムOS「QNX Neutrino」がサポートする形で、協力関係を築いてきた。既に北米市場では、R-CarとQNX Neutrinoを搭載した車載情報機器が投入されている。

 QNX CARは、このQNX Neutrinoをベースに、車載情報機器に必要となる各種ミドルウェアを組み合わせて提供するアプリケーションプラットフォームである。QNX CARを用いて、ある顧客が車載情報機器を開発したところ、開発期間を従来の3年(36カ月)から14カ月まで短縮できたという。また、2013年1月にリリースされた最新版のQNX CARは、今後の車載情報機器の開発で必須となっているHTML5に対応するフレームワークを有している(関連記事:「車載情報機器のHMIはHTML5ベースが主流に」、QNXが新プラットフォームを公開)。

 QNXの自動車部門ビジネス開拓マネージャを務める中鉢善樹氏は、「QNX CARやQNX Neutrinoといった当社の製品を搭載する車載情報機器の世界シェアは、2011年時点で60%に達する。現在は欧米が中心だが、今回のルネサスとの協力関係拡大をきっかけに、日本を含めたアジア市場において、当社製品の採用を拡大させていきたい」と語る。

QNXソフトウェアシステムズの中鉢善樹氏(左)とルネサス エレクトロニクスの吉田正康氏

 一方、ルネサスの自動車ソリューション事業部で自動車情報システムソリューション部 担当部長を務める吉田正康氏は、車載情報機器開発におけるQNX製品の強みを列挙して、協力関係拡大の意義を説明した。「QNX製品には3つの強みがある。1つ目は、複雑化が進む車載情報機器をワンストップで開発できるQNX CARの機能だ。最新版でHTML5対応を強化したことにより、この強みはさら増すだろう。2つ目は、QNX Neutrinoの堅ろう性である。車載情報機器は、自動車のさまざまな機能と連携するようになっている。機能安全規格(一般産業機器向けのIEC 61508)に準拠するQNX Neutrinoを使えば、自動車ユーザーにとっての安心/安全を実現しやすい。3つ目になるのが、北米市場での高い採用実績だ。R-Carの顧客からも、北米市場に強いQNXのサポート強化が求められていた」(吉田氏)。

HTML5対応アプリのSDKは2013年夏過ぎに提供

 なお、QNX CARは、HTML5対応アプリケーションを開発するためのSDK(Software Development Kit)を2013年夏過ぎに提供する予定だ。このSDKは、PCやスマートフォン、車載情報機器などのWebブラウザエンジンとして広く利用されている「WebKit」上で高いパフォーマンスを発揮できるように、独自のチューニングを施しているという。

 QNXは、「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」(2013年5月8〜10日、東京ビッグサイト)に出展し、このHTML5対応アプリケーション開発用のSDKをはじめ、最新版QNX CARの特徴をアピールする予定だ。

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