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第22回 オンチップ電源前田真一の最新実装技術あれこれ塾(1/3 ページ)

実装分野の最新技術を分かりやすく紹介する前田真一氏の連載「最新実装技術あれこれ塾」。第22回は、インテルの次世代CPUアーキテクチャ「Haswell」などで注目されてきた「オンチップ電源」について解説する。

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本連載は「エレクトロニクス実装技術」2013年1月号の記事を転載しています。



1. インテルのCPU

 現在、CPUチップのリーダーはインテル社であるということは、多くの人が納得するところでしょう。

 現在のCPU はCoreの第3世代で、開発名がIvy Bridgeと呼ばれる世代になっています。また2013年には第4世代のHaswellという呼び名で開発されているCPUがリリースされる予定になっています。

2. インテルのCoreシリーズ

インテルは、Coreシリーズの前、ペンティアムシリーズの開発から明確な開発方針を樹立しており、Coreシリーズの開発に当たってもこれを適用しています。

 この開発方針はチクタクモデル(Tick/Tock Model)と呼ばれる手法で、時計の振り子が交互に右と左に振れるように、開発の方向を交互に切り替えようというものです。

 チック(Tick)では製造プロセスを改善し、タック(Tock)ではCPUのアーキテクチャを改善します(図1)。

図1
図1 インテル社のTick-Tack(インテル社資料)

 チックの製造プロセスではチックのタイミングで、65nm、45nm、32nm、22nm、と着実に微細化を実現しています。

 タックのCPUアーキテクチャではペンティアムからCoreへの移行、CoreからCore iへの移行など、これも大きな改善がなされています。次のHaswellはCPUアーキテクチャ

を変更する第4世代のCore i CPUとなります(図2)。

図2
図2 Haswell(インテル社資料)

3. Haswellの機能

 インテル社はTackのIvy Bridgeで22nmという超微細技術を確立しました。その前の32nm世代で「これ以上の微細化はこれまでの技術の延長では困難」と考え、同社では大きな新しい製造技術を確立しました。それがトランジスタの3次元構造と呼ばれる技術です。

 これまで平面的に作られていたチップ上のトランジスタを立体的に作りました(図3)。この技術を使うことにより、次のTack世代の16nm世代のICを作ることができるといわれています。

図3
図3 3次元トランジスタ構造(インテル社資料)

 Haswleeは前のIvy Bridgeで確立された3次元構造の22nm技術を使って作られる、新しいアーキテクチャのCPUです。

 Haswellの新しい技術と機能は徐々に発表されてきています。

 新しいCPUの常として、常に処理能力は向上されています。また大きな統合として、グラフィックプロセッサもCPUチップに統合しています。これにより、グラフィック能力が向上するとともに、部品の削減、基板の小型化が実現できます。

 このほか、昨年、規格が制定されたばかりのDDR4メモリやThunderboltといった新しい技術がサポートされるようになります。

 しかし、今回の技術的注力点は省電力設計です。

 インテルはTVコマーシャルまでして、小型ノートブックの規格、Ultrabookを推進しています(図4)。Ultrabookの薄さを実現するためにはCPUに放熱用の大きなヒートシンクは付けられません。当然、Ultrabookは電池駆動ですから、CPUの消費電力をできるだけ小さくする必要があります。

 このためにはCPUの省力設計は第一優先になります。

図4
図4 インテル社のUltrabookキャンペーン(インテルジャパン)

 しかし、HaswellはなにもノートPC専用のCPUではありません。インテル社は現在、同じアーキテクチャのCPUを規模と能力を変更して、ノートPCから、ディスクトップPC、サーバ、スーパーコンピュータにまで使っています。

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