「こたつに入ったまま“雪かき”できる」――会津生まれの遠隔操作除雪ロボット:操作はモバイル端末で
積雪の多い東北地方では、毎冬の除雪作業に大変な労力を要する。高齢者や女性にとっては重労働だ。東北初をうたうロボット企業アイザックは、モバイル端末(タブレット型PC)を用い、家の中にいながら遠隔操作で除雪作業が行える「遠隔操作除雪ロボット」の試作1号機を開発した。
福島県会津若松市で医療・介護ロボットなどの研究開発を行うアイザックは2013年3月29日、モバイル端末を用い、家の中にいながら遠隔操作で除雪作業が行える「遠隔操作除雪ロボット(AIZ-03)」の試作1号機を開発したと発表した。
同ロボットは、建築・土木事業、冬季除雪請負事業などを行う地元企業、南会西部建設コーポレーションの委託を受けて研究開発が進められたものである。
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積雪の多い東北地方では、毎冬の除雪作業に大変な労力を要す。特に、高齢者や女性の除雪作業は体力的な問題だけではなく、転倒といったケガの危険も伴う。こうした負担やリスクを軽減するために、同ロボットでは、近年、普及が進んでいるモバイル端末(タブレット型PC)を用い、Wi-Fi通信による遠隔操作で除雪作業を実現する。ロボット本体には、前方カメラおよび周囲360度を撮影できる全方位カメラを搭載し、タブレット型PCの画面上に表示されるリアルタイム映像を確認しながら、簡単な操作で除雪作業が行える。
開発初年度となった2012年度は、従来の除雪作業で用いられている「除雪機」のような高い除雪能力を持つものではなく、“雪の降り始め”を想定し、住宅の玄関周りや隣接する駐車場などで利用する家庭用・建物周辺用の「除雪ロボット」のコンセプトモデルとして開発。試作1号機の本体サイズは390×800×1300mm、重量は約100kg。2輪独立駆動方式で、最高時速3.0km(三段変速)。バッテリーを搭載し、約1時間駆動する(連続除雪時)。除雪能力は15cmほどの積雪まで。試作1号機のコントローラとして用いられるタブレット型PCは、Windows OSを採用している。
今後、早期実用化に向け、試作1号機の有効性や課題の検証を行い、除雪方法の見直しや小型軽量化、完全自動制御といったさらなる改良を進めていく方針だ。なお、製品化の際には、生活支援ロボットとして親和性のあるデザインを取り入れる予定だという。
ちなみに、アイザックは2012年8月に設立されたばかりの“東北初”をうたうロボット企業である。九州のロボットベンチャー企業テムザックの技術ノウハウをベースに、温知会(会津中央病院)や会津大学などの研究協力機関と連携しながら、ロボットの研究開発・実証実験・商品化などを進めている。
ロボット開発の最前線
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