中小企業にはPLMは不要なのか、PTCが専用ソリューションを販売:PLMニュース(2/2 ページ)
設計、製造、販売、サポートなど製品の全てのライフサイクルを一貫して管理できるPLM。PLMは企業の複数の部門にまたがって運用されるため、導入が難しいという理由で敬遠されがちだ。特に中小企業ではIT部門が整備されていないことが多く、導入へのハードルが高い。PTCジャパンは、PLMのうちPDM(製品データ管理)に機能を絞ったソリューションを展開することで、PLMへの道筋を広げた。
CADデータの管理に役立つ
PTC Windchill PDM Essentialsは、PDM(製品データ管理)に力点を置いたソリューションだ。CADデータを企業内で有効活用できれば生産性の向上につながる。そのためには、CADデータを自由に検索し、即座にアクセスできる環境が必要だ(図2)。
しかし、設計部門を越えて、CADデータへ無制限にアクセスできるような仕組みは危険をはらむ。他部門のスタッフにとっては、どのデータが最新版なのか分かりにくいことはもちろん、不用意なアクセス(上書き)が起こる可能性が高まる。そこで、データの整合性を維持し、セキュリティを確保できるよう工夫した。社内外の許可されたユーザーのみにデータの読み出しと更新を許可するように設定でき(図3)、更新履歴を自動出力するようにした。
CADデータのライフサイクル管理も実行できる。設計部門が作り出すCADデータは、当初不完全で、製造や購買などの部門からアクセスできないことが望ましい。レビュープロセスを完了した後、データの閲覧や更新が可能になる時点を指定できる。これによって、製造に使うべきではない版のCADデータを誤って参照する恐れがなくなる。
図2 PTC Creoとの連携 CADソフトウェア「PTC Creo」の内部からPTC Windchill PDM Essentialsにアクセスしているところ。全てのデータ管理機能をPTC Creoから実行できる。AutoCADやSolidWorksなどPTC以外のCADデータも管理でき、他社のCADデータであってもCADデータ間の関連付けを自動更新できる。出典:PTC
PTC Windchill PDM Essentialsでは3次元表示や、マークアップ機能を利用できる(図4)。CADデータから、ビューデータやサムネイル情報、PDFなどを出力する機能も備える。ExcelやWordなどに貼り付けたビューデータの更新がたやすくなるよう、CADデータの管理に用いるチェックイン、チェックアウト機能を使って管理できるようにした。
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