あなたの工場はトヨタ自動車になれるのか:ITmedia Virtual EXPO 2013
日本の製造業が抱える問題を解決するには何が必要なのか。ヒット商品を企画する商品開発力なのか、それとも……。2013年2月19日に開幕した「ITmedia Virtual EXPO 2013」。MONOistが企画した「モノづくりIT EXPO」では、日揮で工場の設計と建設、生産システムの計画、構築に携わってきた佐藤知一氏に、生産マネジメントについて語っていただきます。
積み上がる在庫と伸びるリードタイム。品質には問題がないのだが、工場の赤字が解消できない……。こういった現場は珍しくないはずだ。どうすれば改善できるのか。
生産管理思想を次々と打ち立てた、製造業の優等生トヨタ自動車に学ぶべきではないのだろうか。同社が作り上げたジャスト・イン・タイム生産方式を導入し、明日からでも、かんばんやあんどんを採り入れ、小ロット生産を実現して現場を改善する。こういった意気込みで工場を改革し、取引先にも協力を仰ぐ企業は多い。
2013年2月19日から始まった「モノづくりIT EXPO」*1)の特別セッションでは、「サプライチェーンと生産マネジメント〜モノまね『JIT生産』を卒業するために」と題して、日揮の佐藤知一氏に、製造業が今、何をしなければならないのかを語っていただいた。
佐藤氏の主張の核心は、「供給力」こそが製造業の根幹にあるというものだ。ヒット商品を生み出す製品開発力(企画力)ばかりが脚光を浴びるが、製品開発力だけでは失敗してしまう。その実例は米Appleにもあったという主張だ。
では供給力を高めるにはどうすればよいのか。冒頭で紹介したトヨタの生産方式に違いない……このような単純な発想には落とし穴があるのだという。トヨタ自動車のシステムは、トヨタ自動車だからこそ実現できたのであり、自社にそのまま導入できるかどうか、5つの質問に答えながら考えなければならないのだという。その5つの質問とは何か、モノづくりIT EXPOで確認してほしい(視聴登録はコチラから)。
初歩の初歩から始める――「なぜ生産計画が必要なのか」
モノづくりIT EXPOを視聴した後、製造業の抱える課題解決に、生産計画がどのように役立つのか、さらに詳しく知りたい方には、佐藤氏の連載記事をお勧めする。
連載「こうすればうまくいく生産計画」の第1回は、初歩の初歩から説き起こしている。タイトルは「生産計画はなぜ必要か? ズバリお答えしよう」だ。トヨタの生産方式の長所と短所を理解するには、生産計画のそもそもの目的に立ち返るとよいだろう。そもそもの目的とは何か、ヒントは下の図だ。
連載に掲載した全6回の記事に目を通していただければ、モノづくりIT EXPOでは触れることができなかった課題についてもヒントが得られるはずだ。
*1) アイティメディアが運営するバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO」とは、インターネットに接続されたPCやタブレット端末などのスマートデバイスから、24時間いつでも・どこからでも来場できる“仮想”展示会です。基調講演、各EXPOで用意された特別セッション、出展社によるセミナー動画の視聴や、各種資料・カタログのダウンロードなども行えます。新しいスタイルの展示会をぜひ体験してみてください。
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