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性能と柔軟性を備える「Zynq-7000」ファミリを活用したソリューションの姿TEDプログラマブルソリューション2013 レポート(3/3 ページ)

東京エレクトロン デバイスは2013年2月1日、プライベートカンファレンス「TEDプログラマブルソリューション2013 All Programmableを選択するという価値」を開催した。展示ブースでは、ザイリンクスの「Zynq-7000」ファミリを搭載した評価ボードによるソリューション展示が多数披露され、来場者の注目を集めていた。

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FPGAの活用事例と20nm FPGAに関する講演も

 同プライベートカンファレンスの目玉は、展示会場だけではない。業界有識者を招いて行われる基調講演やテーマごとに展開される技術トラックも注目したい。

 ここでは、午前中に行われた基調講演とザイリンクスの講演をダイジェストでお届けする。


超高速移動無線伝送実験の試作にFPGAを活用

 セミナーのトップバッターを務めたのは、東京工業大学大学院 理工学研究科 集積システム専攻 教授の鈴木博氏。「移動無線通信システムにおける伝送技術のトレンドとFPGAを用いた超高速移動無線伝送実験」と題し、基調講演を行った。

鈴木博
東京工業大学大学院 理工学研究科 集積システム専攻 教授 鈴木博氏

 まず、同氏は“いつでも・どこでも・誰とでも”を実現する移動通信の手段として発展した「携帯電話」の歴史に触れた。そして、その後、携帯電話はインターネットの利用や写真・動画・音楽などのマルチメディアデータを取り扱うようになり、“使うもの”として進化。現在のスマートフォンに代表されるマルチメディア携帯端末としての姿になったことを紹介。

 同氏は、こうした情報機器の発展とともに、通信機能を備えた組み込み型のモジュールの存在に注目しているとし、「最近、『ユビキタス』という言葉も使われなくなってきたが、これは“浸透してきたことの裏返し”と捉えることもできる。ユビキタスコンピューティングの時代がようやく到来しようとしている」(同氏)と語り、将来的な高速伝送の重要性とその可能性について言及した。

 次に、移動通信における高速伝送技術のトレンドを整理し、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)などの高度信号処理技術の必要性を明らかにした。そして、ユーザー当り数Gbps以上の移動無線通信を可能とする高速伝送技術を研究・開発するNTTドコモ、東京工業大学、東北大学による総務省の委託研究プロジェクトの概要と、その中の1つのテーマである「FPGAを用いた高速伝送技術」の取り組みについて説明。「研究・開発のために、FPGAによる試作が非常に有効であった」(同氏)とし、講演の中で移動通信における高速伝送実験のさまざまな事例やエピソードを紹介した。

20nmでも一世代先へ、ザイリンクスが講演

 続く、ザイリンクスの講演「ザイリンクス All Programmableソリューションで一世代先へ」では、同社 マーケティング部 プロダクトマーケティング スペシャリスト 査錚(サ・シン)氏が登壇した。

査錚(サ・シン)氏
ザイリンクス マーケティング部 プロダクトマーケティング スペシャリスト 査錚(サ・シン)氏

 同氏は、現在展開中の28nm世代 FPGA「Xilinx 7シリーズ」、そして、ARMのデュアルコア型プロセッシングシステムに28nmのプログラマブルロジックを組み合わせた新コンセプトの製品ファミリ「Zynq-7000」の好調ぶりをアピールするとともに、その後継に当たる“次期FPGA”について言及した。

 次世代品は、20nm世代の半導体プロセスで製造され、「Xilinx 8シリーズ」と呼ばれる。この8シリーズでも従来シリーズと同様に、「All Programmable 20nm FPGA」「2世代目 All Programmable SoC」「2世代目 All Programmable 3D IC」の3つの製品タイプが存在する。

 「8シリーズでは、プロセスの微細化に加えて、基盤技術のブラッシュアップを図った。これにより、従来と比較して、性能が2倍に、消費電力が半分に、そして生産性が4倍に向上する。また、集積度が1.5〜2倍になり、20〜50%のBOM(Bills of Materials)コストの削減が見込める」(同氏)と強化ポイントを紹介した。なお、ザイリンクスの20nm 次世代FPGA Xilinx 8シリーズの概要・製品戦略については、EE Times Japanの記事を参照してほしい。


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