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クラウド活用から始まる「自動車とIT」の蜜月オートモーティブワールド2013 リポート(3/3 ページ)

2013年1月16〜18日に、東京ビッグサイトで開催された自動車関連技術の展示会「オートモーティブワールド 2013」では、車載情報機器とクラウドサービスなどを組み合わせた「自動車とIT」の方向性を示す展示が披露された。注目展示をピックアップして紹介しよう。

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スプライト表示でフルグラフィックメーターを実現

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、2012年6月に発表した普及価格帯の車載情報機器向けプロセッサ「Vybrid」を使用したアプリケーションを展示していた。Vybridは、ARMのアプリケーション用プロセッサコア「Coretex-A5」とマイコン用プロセッサコア「Coretex-M4」を、それぞれ1個ずつ搭載している。

 デモンストレーションでは、「Vybrid VF5xxRファミリ」を搭載したフルグラフィックスメーターを披露した。グラフィックス処理はCoretex-A5、車載ネットワークとの通信やメーター情報の処理はCoretex-M4と分業させることで、「1GHzクラスのプロセッサが必要だったものを400MHz程度で動作」(説明員)させていた。グラフィックス処理機能に特徴があり、最大6レイヤーで64スプライトの描画が可能だ。例えばフルグラフィックスメーターでは、ヘッドランプやブレーキの状態を示すアイコン、メーターの針といった“部品”をスプライト機能を使って描画させることで、グラフィックスの描画に必要となるプロセッサへの処理負荷を大幅に軽減する仕組みだ。Vybrid VF5xxRファミリは、2013年秋ごろに量産を開始する予定。

「Vybrid VF5xxRファミリ」を使用したフルグラフィックスメーター
「Vybrid VF5xxRファミリ」を使用したフルグラフィックスメーターのデモンストレーション。メーターの針などはスプライトを使って描画している。メーター背景色の変更もレジスタの値を書き換えるだけで済むという(クリックで拡大)

 ヘッドユニットやリアシートエンターテインメントシステムなどを含めて複数のディスプレイを用いるハイエンドの車載情報機器向けでは、「i.MX 6」を使ったデモンストレーションを行った。i.MX 6は、ARMのアプリケーション用プロセッサコア「Coretex-A9」を1個/2個/4個搭載するプロセッサファミリで、3つのGPUや各種のハードウェアビデオコーデックを持ち、ディスプレイ出力を4つまでサポートする。Vybridが量販車向け、i.MX 6は高級車向けという位置付けだ。デモンストレーションでは、Coretex-A9を4個搭載する「i.MX 6 Quad」を使って、ナビゲーション画面、2種類の映像データの再生画面、音楽ファイルの再生画面を、4つのディスプレイで同時に出力していた。

「i.MX 6 Quad」を使った4画面同時出力のデモンストレーション
「i.MX 6 Quad」を使った4画面同時出力のデモンストレーション。4画面同時出力はi.MXのデュアルコアバージョンでも可能

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