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自動車の中核を担うカーエレクトロニクス、広がり続ける半導体メーカーの役割オートモーティブワールド2013 リポート(3/3 ページ)

カーエレクトロニクスが自動車の中核を担うと言われるようになって久しい。2013年1月16〜18日、東京ビッグサイトで開催された自動車関連技術の展示会「オートモーティブワールド 2013」では、国内外から数多くの半導体メーカーが出展した。本稿では、これらの半導体メーカーの展示で記者が興味深いと感じたものを取り上げる。

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オーディオサウンドプロセッサとSiCインバータ

 ロームは、オーディオサウンドプロセッサの新製品「BD375xxシリーズ」をはじめとするオーディオICを使ったデモンストレーションを披露した。

 オーディオサウンドプロセッサとは、CDやラジオなどのオーディオソースとパワーアンプなどの音声出力デバイスの間をつなぐ信号処理用ICのことである。カーオーディオ向けで同社は業界トップシェアを誇る。

 BD375xxシリーズは、同社従来品と比べてノイズを3分の2まで低減。さらに、ICの集積度を高めることで、使用する部品点数も20〜30個削減しているという。2バンドイコライザ内蔵品が9品種、3バンドイコライザ内蔵品が10品種、合計19品種をそろえている。

オーディオサウンドプロセッサ「BD375xxシリーズ」を使ったカーオーディオのデモ
オーディオサウンドプロセッサ「BD375xxシリーズ」を使ったカーオーディオを使った音声再生デモ。BD375xxシリーズの他、USBオーディオデコーダICなども搭載されている。(クリックで拡大)

 ロームブースでは、同社のSiC(炭化ケイ素)デバイスが採用された製品として、Mywayプラスが2012年11月から販売しているインバータユニット「MWNINV-1044-SIC」を展示していた。

 MWNINV-1044-SICは、SiC-MOSFETとSiC-SBDを1パッケージに収めた「SCH2080KE」を搭載している。定格容量は10kVAで、20kHzのスイッチング周波数で動作させた際の変換効率は98.5%を達成している。「シリコンパワー半導体を使うと最高でも95%までしか行かない。SiCデバイスを用いれば、ここまで効率を向上できる」(Mywayプラス)という。スイッチング周波数の最大値は200kHzで、この場合も92%の変換効率を実現できる。外形寸法は幅560×高さ300×奥行き300mm、重量は約14kg。

 次世代の電動走行システムなどの研究開発を主な用途として販売している。価格は約100万である。なお、2013年2月には、定格容量は50kVAの「MWNINV-5044-SIC」を発売する予定。価格は「200万〜300万円の間」(同社)を想定している。

MywayプラスのSiCインバータユニット「MWNINV-1044-SIC」
MywayプラスのSiCインバータユニット「MWNINV-1044-SIC」。Mywayプラスが自社ブースで展示していたものを撮影。(クリックで拡大)

ドイツの自動車メーカーが提案する48V車載電源システム

 インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、ドイツの自動車メーカーが中心になって提案している48V車載電源システム向けのモーター駆動テストプラットフォームを公開した。

 Audi(アウディ)、BMW、Daimler(ダイムラー)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、Porsche(ポルシェ)というドイツの自動車メーカー5社は2011年6月、数年内に一部の車載システムの電源電圧を12Vから48Vに移行すると共同で表明した。一部の車載システムとは、電動パワーステアリングや、車両統合制御システム、カーエアコンといった比較的容量の大きなモーターを搭載するシステムが対象となる見込み。電源電圧を高めることにより、電力供給用ケーブルやモーターを小型化できるというメリットが得られる。

 インフィニオンのモーター駆動テストプラットフォームは、電動パワーステアリングやマイクロハイブリッドシステム、トランスミッションなどに用いられる出力10kWのモーターを駆動できる。プラットフォームを構成するICのうち、モーター駆動用のドライバIC「TLE9180」と、ドレイン-ソース間電圧が100VのMOSFET「IPB180N10S4-02」が、48Vの電源電圧に対応している。

インフィニオンの48V車載電源システム向けのモーター駆動テストプラットフォーム
インフィニオンの48V車載電源システム向けのモーター駆動テストプラットフォーム(クリックで拡大)

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