検索
連載

世界初!? AndroidエミュレータでUSB接続環境を構築する!実践しながら学ぶ Android USBガジェットの仕組み(9)(2/3 ページ)

あれから数カ月……。われわれは苦心の末、ようやくホストPCとUSB接続できる「AndroidエミュレータUSB接続環境」を完成させた。今回は、環境構築の詳しい手順と利用方法を紹介する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

2.2.1.改造版・Androidエミュレータ
 改造版・Androidエミュレータのベースは、Android 2.1のプラットフォームソースコードです。

 これに対して、われわれが改造したソースコードを加え、ビルドすることで改造版・Androidエミュレータを構築できます。作業手順は表5の通りです。


No. 作業内容
1. 改造版・Androidエミュレータのソースコードのダウンロード
2. Repoコマンドのインストール
3. Android 2.1プラットフォームソースコードのダウンロード
4. 改造版・Androidエミュレータのソースコードマージ
表5 作業手順

2.2.1.1.改造版・Androidエミュレータのソースコードのダウンロード
 https://github.com/esminc/qemu/tree/master/Source/device-qemu/android/app-eclairから、以下のファイルをダウンロードします(表6)。

No. ダウンロード対象 ダウンロード対象ファイル
1. Android 2.1のQEMUソースコード external/qemu配下の全ファイル
2. voldのコンフィグファイル system/core/rootdir/etc/vold.conf
表6 ダウンロード対象ファイル

2.2.1.2.Repoコマンドのインストール
 Androidプラットフォームソースコードをダウンロードするためには、先に「Repo」コマンドをインストールしておく必要があります。インストール方法は以下の通りです。

Repoコマンドのインストール方法:

$ mkdir ~/bin
$ PATH=~/bin:$PATH
Repoコマンドの配置ディレクトリの作成と環境変数の設定

$ curl https://dl-ssl.google.com/dl/googlesource/git-repo/repo > ~/bin/repo
$ chmod a+x ~/bin/repo
Repoコマンドのインストール

2.2.1.3.Android 2.1プラットフォームソースコードのダウンロード

Android 2.1プラットフォームソースコードのダウンロード方法:

$ mkdir <WORKING_DIRECTORY>
$ cd <WORKING_DIRECTORY>
プラットフォームをダウンロードするディレクトリの作成 
※<WORKING_DIRECTORY>には、任意のディレクトリ名を指定します。

$ repo init -u https://android.googlesource.com/platform/manifest
初期化する

$ repo init -u https://android.googlesource.com/platform/manifest -b <ブランチ名>
ダウンロード対象ブランチ名を指定する ※<ブランチ名>には、ダウンロード対象のブランチ名を指定します。今回の場合は「android-2.1_r1」です。

$ repo sync
ダウンロードする

2.2.1.4.改造版・Androidエミュレータのソースコードマージ
 Android 2.1プラットフォームソースコードをダウンロードしたディレクトリ配下で、以下のソースコードを「2.2.1.1.改造版・Androidエミュレータのソースコードのダウンロード」のファイルと置き換えます(表7)。なお、置き換え後の「externel/qemu」配下のファイルには実行権限がないため、そのままではコンパイルエラーが発生してしまいます。コンパイルを実行する前に、これらのファイルに実行権限を付与してください。

No. 置き換え対象 置き換え対象ファイル
1. Android 2.1のQEMUソースコード external/qemu配下の全ファイル
2. voldのコンフィグファイル system/core/rootdir/etc/vold.conf
表7 置き換え対象ファイル

2.2.2.改造版・Linuxカーネルイメージ
 https://github.com/esminc/qemu/tree/master/Source/exe/emulator_imgから、以下のファイルをダウンロードします(表8)。

No. ダウンロード対象 ダウンロード対象ファイル
1. 改造版・Linuxカーネルイメージ zImage
表8 ダウンロード対象ファイル

2.2.3.改造版・仮想マシン(QEMU)
 https://github.com/esminc/qemu/tree/master/Sourceから、以下のファイルをダウンロードします(表9)。

No. ダウンロード対象 ダウンロード対象ファイル
1. 改造版・仮想マシン(QEMU) host-qemu配下の全ファイル
表9 ダウンロード対象ファイル

2.2.4.OSイメージ
 改造版・仮想マシンの動作は、KNOPPIX 7.0とUbuntu 9.04にて動作を確認しています。

 ISOイメージファイルは、それぞれ以下のWebサイトからダウンロードします(表10)。

No. OS ダウンロードURL
1. Knoppix 7.0 http://www.knopper.net/knoppix-mirrors/
2. Ubuntu 9.04 http://old-releases.ubuntu.com/releases/9.04/
表10 ISOイメージ

 なお、仮想マシン(QEMU)単独でOSを起動すると動作が非常に重たくなるので、KVM(Kernel-based Virtual Machine)を利用します。インストール方法は以下の通りです。

KVMのインストール方法:

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install qemu-kvm
KVMのインスール

$ sudo modprobe kvm
$ sudo modprobe kvm_intel
KVMモジュールのロード

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る