複雑化する高機能ナビのシステム高速起動を支援、ユビキタス「QuickBoot」:採用事例
高機能化に伴い、システムが複雑化するカーナビゲーションシステム。エンジン始動からユーザーが利用可能になるまでの起動時間の短縮がカーナビメーカーの課題である。JVCケンウッドが発表した最新ナビは、この課題を克服するため、ユビキタスのシステム高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot」を採用する。
ユビキタスは2013年1月11日、JVCケンウッドが同日発表したケンウッドブランドの最新AVナビゲーションシステム“彩速ナビ”「MDV-Z700」「MDV-X500」「MDV-R700」に、高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot(以下、QuickBoot)」が採用されたことを発表した。
カーナビゲーションシステムは近年、ナビゲーション情報および地図描画などの高度化に加え、デジタルTVなどのAV機能の統合やインターネット接続といったアプリケーションの高機能化が急速に進んでいる。しかし、こうしたトレンドはカーナビメーカーを悩ませる。高機能化に伴い、システムが複雑化し、各機能の初期化処理などに時間を要してしまうからだ。当然ながら、利用者はエンジンを始動したらすぐに所望の機能(ナビアプリの起動やコンテンツ再生)を呼び出したい。
そこで、今回発表された新しい“彩速ナビ”シリーズでは、デジタル家電や携帯機器といった組み込み機器向けの高速起動ソリューションとして知られるQuickBootを採用し、システム起動時間の短縮を図っている(関連記事1)。
JVCケンウッドのAVナビゲーションシステム“彩速ナビ”「MDV-Z700」「MDV-X500」「MDV-R700」。従来の“彩速ナビ”シリーズのコンセプトを継承しながらも、機能・性能の向上と現代感覚の操作性を追求するために新プラットフォームを開発し、新たに採用した。
QuickBootは、ユビキタスが独自開発したLinux/Android搭載システムの高速起動ソリューションである。従来のハイバネーション方式とは異なり、アプリケーションのメモリサイズにかかわらず、待機電力ゼロからの高速起動が可能だ。開発者向けにQuickBoot SDKが提供され、自社製品に組み込むことができる。最新バージョンのQuickBoot R1.2では、ARMコアシリーズ(ARM9、ARM11、Cortex-A8/9、Cortex-A9 MPCore)を標準サポートする(関連記事2)。
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