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疑問が氷解、再生可能エネルギー:「製造マネジメント」ランキング(1/2 ページ)
MONOist製造マネジメントフォーラムでアクセスが多かった記事を紹介します。今回はスマートグリッド関連の記事に関するランキングです。集計対象期間は、2012年10月15日〜11月11日です。
再生可能エネルギーを巡る議論は単純ではありません。コストや規模、有用性について対立する意見があり、どちらが正しいのか一見しただけでは分からないからです。今回のランキングでは、この問題を考える際に役立つ記事が複数登場しました。
最初に読んでいただきたいのは次ページに示したランキング8位の「元が取れない太陽電池」という神話です。太陽電池は製造時に何らかのエネルギーが必要です。加えて、太陽光は地球に到達するまでに薄く広がるため、他のエネルギー源と比較すると密度が低いといえます。このため、化石燃料や原子力と比較すると元が取れないのではないかという疑問が湧いてきます。例え元が取れたとしても膨大な時間がかかるのではないか……。このような疑問に答えた記事です(図1)。
図1 1kWh発電するためにどの程度化石燃料を使うか 「元が取れない太陽電池」という神話、より。太陽光発電システムの技術があまり進んでいなかった約20年前の時点でも、効率では石油火力や石炭火力に匹敵していた(火力発電の燃料を含まない場合)。出典:電力中央研究所
次に目を通していただきたいのが、ランキング1位のどこがダメなのか、日本のエネルギーです。太陽光発電はコストが高い(図2)ため、政府が推進する買い取り制度はうまく機能しないのではないのか。そもそもコスト高のエネルギー源をなぜ優遇するのか、こうした疑問を感じたことはないでしょうか。この記事で触れているのは買い取り制度の課題だけではありません。「優れた日本の省エネ」という印象が必ずしも正しくないことについても紹介しています。
図2 再生可能エネルギーを大規模導入すると電気代はどうなるのか どこがダメなのか、日本のエネルギー、より。ドイツの電気料金が日本よりも高いのは、再生可能エネルギーの買い取り制度に原因があるのではなく、税金のためだった。出典:富士通総研 梶山恵司氏の研究レポート
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