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東芝が「SCiB」の開発・製造拠点を柏崎工場に統合、佐久工場の用途は未定:電気自動車
東芝は、リチウムイオン電池「SCiB」の開発・製造拠点を柏崎工場に統合する。SCiBの開発拠点だった佐久工場の人員は柏崎工場に移る。佐久工場の敷地の用途は未定で、今後東芝グループ内で検討するという。
東芝は2012年10月24日、リチウムイオン電池「SCiB」の開発・製造拠点を柏崎工場(新潟県柏崎市)に統合すると発表した。開発速度や効率の向上と量産製造体制の強化が狙い。
現在のSCiBの開発拠点であり、2008年3月から最大で月産15万セルの規模で量産を行っていた佐久工場(長野県佐久市)の約100人の従業員は、2013年3月までに柏崎工場に異動する。佐久工場でのSCiBの量産も2012年11月までに終了する。SCiBのみを手掛けていた佐久工場の敷地の用途は未定で、今後東芝グループ内で検討するという。
柏崎工場の現在の従業員数は約240人で、佐久工場の開発部門の統合によって約340人にまで拡大する。現時点の量産規模は月産50万セルだが、生産ラインは最大で月産100万セルまで対応可能である。
今回の施策により、量産中の電気自動車向けや家庭用・産業用蓄電池向けだけでなく、スマートグリッドなどに利用される大型の電力貯蔵システム向けの電池セルを視野に入れた製品開発を進める。さらに、需要急増にも適切に対応できる量産体制の確立も目指す。
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