いまさら聞けない SDメモリーカード入門:メモリーカード 技術解説(3/3 ページ)
あなたはどれくらい「SDメモリーカード」のことを知っているだろうか? SD規格やSDホストコントローラの仕組みについて、人に正しく説明することができるだろうか? 携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラに代表される身近な機器に必ずといってよいほど使われているSDメモリーカードの基礎を解説する。
現在の主流規格
現在(2012年10月時点)発売されているSDメモリーカードの最大記憶容量は128Gバイトですが、よく売れているのは16〜64Gバイトのものだと思います。つまり、SDHCからSDXCに移りつつあり、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラの高画質化に伴い、ますます大容量化が進んでいくと予想されます。
転送速度は、現状UHS-Iが最大転送速度です。高速性が求められるデジタルカメラなどでは、UHS-I規格採用製品が増えているようです。ただ一方で、High Speed規格の製品もまだまだ多数発売されていますので、用途に合わせて規格が使い分けられているのが実情です。
SDの次期規格「UHS-II」
現在、正式に発表されているのは「Ver.3.0X」といわれる規格です(2010年に発表)。SDXCやUHS-Iは、この規格で定義されています。
SDアソシエーションでは、既に次の規格「UHS-II」の策定に向け、準備が進められているそうです。最終的な情報はまだ発表されていませんが、次期規格では、SDメモリーカードに大幅な変更が入ることが決定しており、端子が増える(カードのサイズは変更なし)と聞いています。この新しい端子を使うことにより、「312Mバイト/秒」というUHS-Iの3倍もの転送速度を実現できるそうです。
例えば……
UHS-IIが無事に策定され、記憶容量が2Tバイトで、データ転送速度が312Mバイト/秒の規格に対応したSDメモリーカードが発売されたら、HDD並みの大容量と高速データ転送の恩恵をさまざまな機器で受けることができます。
実際には、メモリーカードの性能やファイルシステムの影響を受けるため、規格通りの転送速度を達成することは難しいと思いますが、指先サイズの大容量・超高速データ転送ストレージデバイスが近い将来誕生するかもしれません。
以上の通り、今後、SDメモリーカードは大容量化、データ転送速度の高速化がますます進んでいくと考えられます。
スマートフォンやタブレット端末でも、写真や動画などのマルチメディアデータを、容量を気にせずに、これまで以上に気軽に持ち歩くことができるようになるでしょう。また、もしかすると、映画コンテンツの入ったSDメモリーカードがレンタルビデオ屋さんに並ぶなんていう日も来るかもしれません(これほど小さいと失くしてしまいそうですが)。
今後も、さまざまな製品にSDメモリーカードが搭載され、その活躍の幅はさらに広がっていくことが期待されています。
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