M2M向け総合ソフトウェア開発環境「Wind River Intelligent Device Platform」発表:既存のM2Mテクノロジーを強化
ウインドリバーは、インテル主催の開発者会議「Intel Developer Forum 2012」の中で、同社の商用組み込みLinux OS「Wind River Linux」とミドルウェアを基盤とする、M2Mアプリケーション専用の総合ソフトウェア開発環境「Wind River Intelligent Device Platform」を発表した。
ウインドリバーは2012年9月11日(米国時間)、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中のインテル主催開発者会議「Intel Developer Forum 2012」の中で、同社の商用組み込みLinux OS「Wind River Linux」とミドルウェアを基盤とする、M2Mアプリケーション専用の総合ソフトウェア開発環境「Wind River Intelligent Device Platform」を発表した。提供開始は、2012年第4四半期を予定している。
同社の親会社であるインテルは、ネットワーク機能を備えた機器“コネクテッド・デバイス”の急増やモノのインターネット(Internet of Things)時代の到来を背景に、ネットワーク上を流れる膨大な数の情報から新たな価値・収益源を生み出すための仕組みとその概念を示す、「インテリジェント・システム(Intelligent System)」を提唱し続けている。今回の新プラットフォームは、ウインドリバーがこのビジョンにならい、「Wind River Embedded Development Kit for M2M Smart Services」に搭載されている既存のM2Mテクノロジーを強化し、発展させたプラットフォームである。
同プラットフォームは、組み込み機器市場で実績のあるWind River Linuxを基盤とし、M2Mアプリケーション開発向けに設計されたセキュリティ機能、豊富なネットワークオプションに対応したスマート接続機能、検証済みデバイス管理ソフトウェアなどが含まれている(図1、表1)。これらにより、M2Mデバイスの開発期間の短縮に貢献できるとする。
OS | Wind River Linux |
---|---|
検証済みミドルウェアスタックのサポート | Virtual Machine、OMA-DM、OSGi、TR-069、Home Automationなど |
コネクティビティオプション | PAN、LAN、WANに対応した3G、Bluetooth、Ethernet、Wi-Fi、ZigBee、ZWaveなど |
Secure Remote Management | カスタマイズ可能なトラステッドブート、grsecurityによるリソース管理、TPM(Trusted Platform Module)によるセキュアな鍵の移行と完全性の測定 |
開発ツール | Eclipseフレームワークをベースとした「Wind River Workbench」および、ウインドリバーのソフトウェアインテグレーション用ビルドシステムなど |
Webベースのコンフィギュレーション管理 | デバイスのプロビジョニング、セットアップ、管理 |
ハードウェアのサポート | Kontron製 Intel Atom搭載ボードなど |
インテルのインテリジェント・システム・フレームワークとの互換性 | デバイスの接続、管理、セキュリティへの対応を目的にした相互運用可能なソリューション |
表1 「Wind River Intelligent Device Platform」の主な特徴 |
今回の発表を受け、ウインドリバー インテリジェントシステムグループ担当 ジェネラルマネージャーのサントーシュ・ナイアー氏は次のようにコメントを寄せる。
スマートなネットワーク対応デバイスの爆発的な増加により、相互に接続された世界は、現実になりつつあります。M2Mテクノロジーの重要なポイントとして、システムのふるまいをベースとするアプリケーションが普及しています。スマートなネットワーク対応デバイスやサービスの開発を成功させるには、コネクティビティ、セキュリティ、最適化、業界標準への適合が必要です。そして、それこそがウインドリバーが提供できる価値です。このプラットフォームは、先進のツールや開発環境を備えたソフトウェア、ミドルウェア、ボードサポートパッケージ(BSP)の統合基盤上に構築され、M2Mの価値を最大限に引き出します(プレスリリースより抜粋)。
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