リアルFacebookガジェット!? 「NOTICE」とは:“たった1人の家電メーカー”記事企画プロジェクト(3/3 ページ)
デザイン家電メーカー ビーサイズの八木氏が、MONOist編集担当のムチャブリに応え、“リアル”Facebookガジェットを開発。クラウドファンディングで公募をスタートした。記事後半は、八木氏の「一人家電ベンチャー相談室」。
NOTICEはBsizeブランドではない?
NOTICEについて、記事前半で「記事企画のための製品」と述べたが、こちらはBsizeブランドの製品というわけではないという。
「NOTICEは、Bsizeブランドの新製品ではありません。今回いただいた企画に向けた限定製品で、そもそも、プロトタイプを記事で紹介するだけの予定でした。しかし『プロトタイプが欲しい』という声をたくさんいただき、それではと、クラウドファンディングで公募することにしました。企画限定製品として扱えたことで、結果的に幾つかの実験的な取り組みもできました」(八木氏)。
「さまざまなことを前向きに取り入れること」と、「ブランド理念を揺るがさないこと」は相反するように見える。しかし、「どちらか一方だけしか選択できない」「白黒はっきりさせなければいけない」とは限らないものだ。
ただし八木氏のように、「製品に求めること」を常にはっきり意識することが大事だ。
八木氏の「一人家電ベンチャー相談室」
STROKEやNOTICEなど、八木氏のビジネスに触れ、「自分もいつか、やってみたい!」と考えた読者も多いのではないかと思う。家電ベンチャー設立や週末家電開発を夢見る人たちに向けて、八木氏にアドバイスを仰いでみた。
――「何か製品を自分で作ってみたい」と思っても、そのアイデアは、なかなか出ないものだと思います。何か、ひねり出すコツや方法はありますか?
八木氏:アイデアはなかなか出ませんね! でもそこ(アイデア)が全てだと思います。私の場合は、「面白いテクノロジー」「生活の中で気が付いた違和感」「まだ形のないアイデア」などをいつも蓄えています。あるとき、ふとそれらがつながり合って、1つの製品に集約するという感じです。特別、そのためにブレストしたり、アイデア出しの場を設けたり、ということはないですね。設計以外の仕事をしているとき、誰かと打ち合わせをしているとき、あるいはカフェで仕事をしているときなどに、“つながり合う”瞬間によく出合います」(八木氏)。
――個人でメーカーを起業したい人、あるいは週末製品開発をしたい人に、これまでのご経験から、何かアドバイスはありませんか? 「こんな道具は用意した方がいい」「こんな知識はあった方がいいかも」など。
八木氏:私自身も試行錯誤の毎日ですので、アドバイスするのは難しいですが……。とにかく、何よりも「まず、やってみる」のが、一番近道だと思います。きっかけは何でもいいんです。「自分用iPhoneスタンドを作ってみよう」でもいいし、とにかくできることから始める。実際に製品を作ってみれば、「もっとこうしたい」とか、「そのためにはあれが足りない、これが足りない」という具合に、課題が見えてくると思います。
個人で製品開発を始める場合、最初から大手のような設備や仕組みがあるわけではありません。ですから、製品を作るためのプロセス自体を自分で作り上げていく必要があります。初めは制約ばかりですが、少しずつプロセスが整ってくれば、作れる製品の幅がどんどん広がってきます。
製品を作る上で、「ここまでが個人で、ここからがメーカー」という決められた線引きがあるわけではない。とにかく「まず作ってみる」こと。それが個人メーカー起業への第一歩ではないでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.