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ルネサスが収益基盤強化策を発表、2014年度の営業利益率は10%以上にビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスが収益基盤の強化策を発表した。ホームマルチメディア(デジタル家電)向けSoC(System on Chip)の新製品開発中止や、国内生産拠点再編の詳細決定が中心となっている。これらの施策により、2014年度に営業利益率10%以上の達成を目指す。

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自動車、産業機器、スマホに注力

 事業構造の最適化や生産拠点の再編を進めるとともに、今後は高い成長が見込まれる市場に特化した製品開発に注力する。赤尾氏が例として挙げたのが、自動車、産業用機器、スマートフォンの3分野である。

 自動車分野では、世界トップシェアの車載マイコンとアナログICやパワー半導体を組み合わせて提案する「キットソリューション」を強化する。「既に、複数の国内・海外大手電装品メーカーから、2017〜2020年モデル向けの商談をキットソリューションで獲得している」(同氏)という。

自動車分野での戦略的パートナーシップ構築
自動車分野での戦略的パートナーシップ構築。自動車メーカーや電装品メーカーと製品・技術ロードマップを共有することで、需要を確実に勝ち取る。(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 産業用機器分野でもキットソリューションに注力する。世界シェア50%というインバータモーター向けマイコンを核に、インバータに必要なIGBT、パワーMOSFET、PFC(力率改善回路)用IC、フォトカプラなどをまとめて提案する方針だ。

インバータモーター向けの製品展開
インバータモーター向けの製品展開(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 スマートフォンやタブレット機器分野では、高精細液晶ディスプレイ用ドライバICやリチウムイオン電池パック保護用の低電圧パワーMOSFETといった世界シェアトップの製品を軸に、LTEモデムやワイヤレス給電用ICなどの採用を拡大させていく。

スマートフォン向けの製品展開
スマートフォン向けの製品展開(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 キットソリューションによって、マイコン、アナログICとパワー半導体の売上高を拡大する一方で、デジタル家電向けから撤退するSoCは売上高が減少する。このため、2014年度の事業別の売上高比率は、マイコンが40%強、アナログICとパワー半導体が30%強、SoCが20%強になる。

 固定費は、7月3日に発表した5千数百名規模の早期退職募集の効果により年間430億円削減できるという。これにより、2014年度の固定費は、ルネサス エレクトロニクス発足直前と比べて45%削減される。

2014年度の事業別売上高構成比率と固定費のイメージ
2014年度の事業別売上高構成比率と固定費のイメージ(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 これらの施策の結果として、2014年度に営業利益率を10%以上まで高められるとしている。

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