トヨタが北米向け「レクサスRX」の生産をカナダに集約、九州の生産規模は維持:新型ESも出るので
トヨタ自動車は、北米市場向けのSUV「レクサスRX」の生産をカナダのTMMCに集約する方針を発表した。レクサスRXの主力工場であるトヨタ自動車九州は、北米市場向け以外のレクサスRXの生産を続けるとともに、全面改良した「レクサスES」などで生産規模も維持する。
トヨタ自動車は2012年7月25日、カナダのToyota Motor Manufacturing Canada(TMMC)における「レクサス」ブランドのSUV(スポーツ多目的車)「レクサスRX」の生産を増強すると発表した。2014年初頭には、ケンブリッジ工場で生産しているガソリンエンジン車「RX350」の年間生産能力を現在の約7万4000台から約8万9000台に増強するとともに、ハイブリッド車「RX450h」の生産を年間約1万5000台の規模で始める。これにより、ケンブリッジ工場のレクサスRXの生産能力は約10万4000台となる。生産増強のための投資額は1億米ドル(約78億円)以上で、約400人の従業員を新規に採用する予定だ。
今回の生産増強は、北米市場に出荷するレクサスRXの生産拠点をTMMCに集約することが狙いだ。現在、トヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)で生産している、北米市場向けのレクサスRXは、TMMCのケンブリッジ工場に移管されることになる。ただし、国内向けを含む、北米市場向け以外のレクサスRXの生産は維持する。なお、レクサスRXの2011年度の年間生産台数は、ケンブリッジ工場が約6万5000台、宮田工場で約8万1000台だった。
宮田工場の2011年度の年間生産台数は約30万台。レクサスRXの他、「レクサスCT」や「レクサスHS」、「SAI」、海外向けの「レクサスES」や「レクサスIS」などを生産している。北米市場向けのレクサスRXの生産は減るものの、2012年7月に全面改良した「レクサスES」の生産台数の増加が見込まれていることもあり、宮田工場の生産規模は変わらないという。
トヨタ自動車九州は、苅田工場(福岡県苅田町)でエンジンやハイブリッドシステム用の部品を生産しているが、これらはTMMCに移管しない。ケンブリッジ工場で生産するレクサスRX450hに用いるハイブリッドシステム用部品は、苅田工場から輸出することになる。
TMMCは2013年初頭に、ウッドストック工場で生産している小型SUV「RAV 4」の年間生産能力を、現在の約15万台から約20万台に増強する予定である。ケンブリッジ工場の現在の年間生産能力は、レクサスRXの他に生産している「カローラ」や「マトリックス」を含めて約27万台。2014年初頭には、レクサスRXの生産増強により、年間生産能力は約30万台となる。2014年初頭におけるTMMC全体の年間生産能力は約50万台まで増える。
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