GMが「ボルト」をマイナーチェンジ、電池の改良でEV走行距離が約5km増加:電気自動車
General Motors(GM)が、プラグインハイブリッド車「シボレー・ボルト」をマイナーチェンジする。リチウムイオン電池の改良により、EV走行距離が従来の35マイル(約56.3km)から38マイル(約61.1km)に増加した。
General Motors(GM)は2012年6月7日(米国時間)、プラグインハイブリッド車「Chevrolet Volt(シボレー・ボルト)」をマイナーチェンジすると発表した。リチウムイオン電池の改良により、エンジンを使わずに電気自動車(EV)として走行できる距離(EV走行距離)が35マイル(約56.3km)から38マイル(約61.1km)に増加した。発売日は明らかになっていない。
マイナーチェンジ版のシボレー・ボルトは、リチウムイオン電池セルに使う化学材料の構成比などを最適化することで容量を高めた。2010年末の発売時は16kWhだった電池パックの総容量は、16.5kWhに引き上げられている。これにより電池パックの実効容量も、10.3kWhから10.8kWhに増えたため、EV走行距離を3マイル(約4.8km)伸ばすことができた。また、シボレー・ボルトは、エンジンを使用して走行する場合の走行距離が、ガソリン満タンのときで344マイル(約553.6km)となっている。EV走行距離を含めれば、合計382マイル(約614.8km)走行できることになる。
電池容量が増えたことにより、満充電までの充電時間も増加した。従来は電圧120Vで10時間、電圧240Vで4時間だったが、マイナーチェンジ版は、電圧120Vで10.5時間、電圧240Vで4.25時間となる。
なお、EV走行時における、米国環境保護局(EPA)が定める換算燃費も、94MPGe(マイル/ガロン相当)から98MPGeに向上している。
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