「自動車とICTの融合」はどこまで進むのか、世界最大級のIT見本市が注目:CeBIT 2012 デジタル・ドライブ(1/2 ページ)
世界最大級のIT見本市「CeBIT」に新しく加わった展示コーナー「デジタル・ドライブ」では、「自動車とICTの融合」をテーマに今後の自動車の多くに搭載されていくだろう車載情報機器やテレマティクスなどに焦点を当てている。初回ということで出展者社数はふるわなかったものの、いくつか興味深い展示があったので紹介しよう。
「CeBIT 2012」(2012年3月6〜10日、ドイツ・ハノーバー)では、今回から新たに「自動車とICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の融合」をコンセプトにした展示コーナー「デジタル・ドライブ」が加わった。車載情報機器やテレマティクスなど、自動車とICT技術の関わりについての展示を行っており、自動車の外形デザインやパワートレインなどが注目を集めるモーターショーとは異なるアプローチを取っている。本稿では、先行して紹介したAudi(アウディ)以外のデジタル・ドライブの展示をまとめて紹介する。
ITSニーダーザクセン
ITSニーダーザクセンは、ドイツ国内外の企業や研究機関と協力してITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に関する研究を専門に行っている組織である。CeBIT 2012では、研究成果やパートナー企業の製品を展示していた。
その中で興味を引いたのが、協力企業の1つであるNXPセミコンダクターズが披露した電動バイクのコンセプトモデル「ZERO」である。ZEROは、ディスプレイメーターやデジタルラジオ、RF/NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)技術を使った強固なセキュリティを備えるキーレスシステムをはじめ、同社のミックスドシグナルICを使った車載システムを目いっぱい搭載している。
BMW
BMWは、携帯電話キャリアT-Mobile(ドイツテレコム)のブース内で、ドライバー支援/情報サービス「BMW ConnectedDrive」に関する展示を行っていた。BMW ConnectedDriveは、アウディの「Audi Connect」と同様に、ナビゲーション、映像/オーディオコンテンツの制御、ローカルの情報検索などの他に、事故発生時に自車位置を無線通信ネットワーク経由で知らせたり、巨大な駐車場に停めた自分のBMWの位置をスマートフォンで確認できたりするサービスも提供している。
M2M
M2M(Machine to Machine)コーナーでは、車載用無線通信モジュールに関する展示がかなり多く見られた。欧州は、英国や北欧を除きほぼ陸続きになっているものの、国や地域によって携帯電話通信のインフラの普及状況が異なる。このため、2Gや3Gといった通信方式のみならず、さまざまな周波数帯にも対応する製品が展示されていた。
また、車載用無線通信モジュールを応用したサービスとして、長距離トラックの運行管理システムに関するデモンストレーションも多くのブースで行われていた。
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