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Intelの「Atom」が車載情報機器に採用、日産の北米向け2013年量産車に搭載【訂正あり】3年越しの努力が結実

低消費電力を特徴とするIntelのプロセッサ「Atom」が、日産自動車の車載情報機器プラットフォームに採用された。2009年3月に車載用Atomを発表してから約3年で、大手自動車メーカーとの契約を勝ち取ったことになる。

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 Intelは2012年4月5日(米国時間)、日産自動車の車載情報機器プラットフォームに、低消費電力を特徴とするプロセッサ「Atom」の採用が決まったと発表した。Atomを採用した車載情報機器は、日産自動車が2013年の量産を予定している北米市場向け高級セダン「インフィニティ」の新モデルに搭載される予定。

 日産自動車は、「New York International Auto Show 2012」(2012年4月6〜15日)において、インフィニティブランドのEV(電気自動車)コンセプト「Infiniti LE」を出展している。このInfiniti LEには、Atomを採用した車載情報機器のコンセプトモデルとなる「twin-display」が搭載されている。twin-displayはその名の通り、ヘッドユニット部に2個のディスプレイを備えている。Intelのインテリジェント・システム事業部でバイスプレジデントを務めるTon Steenman氏は、「twin-displayは、Atomの処理能力によって、ドライバーに対する運転支援情報の提供と、同乗者への娯楽提供を同時に行うことができる」とコメントしている。

日産自動車のEVコンセプト「Infiniti LE」「Infiniti LE」のインテリア 左の写真は、日産自動車のEVコンセプト「Infiniti LE」。右の写真は、Infiniti LEのインテリアである。写真中央のヘッドユニット部に、2個のディスプレイを備えた「twin-display」が組み込まれている。

 日産自動車は2009年11月に、IntelやBMW、General Motorsなどが2009年3月に立ち上げた車載情報機器のプラットフォーム開発を目的とする非営利組織「GENIVI」に参加している(関連記事1)。

 一方Intelは、車載用Atomを2009年3月に市場投入し、GENIVIの設立も主導するなど、車載情報機器分野への注力を続けてきた。さらに、2012年3月には、1億米ドルを投入して車載情報機器の研究開発を対象とした「コネクテッドカー基金」を設立するなどしている。(関連記事2)。

 これまでに、車載情報機器にAtomを採用する方針を発表した企業としては、中国の自動車メーカーである華泰汽車集団(HawTai Motor Group)と、ドイツの車載情報機器大手Harmanの2社が知られている。華泰汽車集団は2010年4月、高級セダン「B11」の車載情報機器にAtomを採用する方針を発表した。一方、Harmanは2010年9月、同社の車載情報機器の次世代プラットフォームにAtomを採用する計画を明らかにしている。いわゆる大手自動車メーカーの車載情報機器プラットフォームへの採用は、今回の日産自動車が初の事例となる。

訂正あり 記事初出時に「車載情報機器にAtomが正式採用された事例はこれまで報告されていなかった」としておりましたが、華泰汽車集団とHarmanの2社が採用計画を発表していました。お詫びして訂正致します。記事のタイトルと本文はすでに修正済みです。


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