ホンダとナビタイムも“脱カーナビ”、ディスプレイオーディオが中核に:第3回 国際自動車通信技術展 リポート(1/2 ページ)
「第3回 国際自動車通信技術展」では、トヨタ自動車、ホンダ、NAVITIMEの3社が展示した、スマートフォンと車載ディスプレイの連携で実現するカーナビゲーションに注目が集まった。このカーナビゲーションでは、スマートフォンとともに、ディスプレイオーディオが重要な役割を果たすことになりそうだ。
「第3回 国際自動車通信技術展」(2012年3月14〜16日、東京ビッグサイト)の初日の基調講演では、トヨタ自動車の常務役員を務める友山茂樹氏の、「次世代テレマティクスを実現するにはナビゲーションシステムから脱却する必要がある」という発言に注目が集まった(関連記事)。
同社は、スマートフォンと車載ディスプレイを連携させたカーナビゲーションのコンセプト展示を行い、既存の組み込み型カーナビゲーションシステム(カーナビ)に替わる次世代テレマティクスの方向性を示した。一方、ホンダとナビタイムジャパンは、ディスプレイオーディオ(タッチパネルディスプレイを搭載したカーオーディオ)とスマートフォンを接続したシステムに関する展示を行った。以下に3社の展示を紹介しよう。
トヨタは無線LANで接続
トヨタ自動車は、「ODD(On Demand Display)」と呼ぶ車載ディスプレイとスマートフォンを無線LANで接続して連携させるシステムを披露した。同システムは、ODDとスマートフォンの他に、スマートフォンにワイヤレス給電するための非接触充電トレイや、操作インタフェースとして利用するステアリングスイッチから構成されている。
このシステムでは、非接触充電トレイにスマートフォンを載せると、スマートフォンへのワイヤレス給電と、スマートフォンとODD間の無線LAN接続が同時に行われる。また、無線LAN接続に合わせて、ODDと連携動作するための専用アプリがスマートフォン内で立ち上がる。ODDに表示される画面は、スマートフォンのディスプレイ上に表示されている専用アプリの画面と同じである。操作インタフェースとしては、タッチパネルになっているODD自身かステアリングスイッチを利用する。
専用アプリは、ルートの検索/設定をはじめとするカーナビゲーション機能に加えて、映像/音楽データを再生したり、トヨタ自動車のソーシャルネットワークサービス「トヨタフレンド」にアクセスしたりする機能を備えている。カーナビゲーション機能を使用する場合、A-GPSを使った位置情報の取得や地図描画の処理をスマートフォンのプロセッサで実行し、その結果をODDの画面に表示することになる。
展示では、電気自動車やプラグインハイブリッド車への充電と、家庭の電力消費を管理する機能を持つ「H2Vマネージャー」の次世代版と連携する機能も紹介した。次世代版H2Vマネージャーでは、家庭内の分電盤に接続したH2Vマネージャーと車両の間を、無線LANで接続することになる。この無線LANネットワークを経由して、外出時に照明の消し忘れをODDと接続したスマートフォンに通知したり(この通知はODD上に表示されることになる)、ODDから家庭内の照明を全て消灯する操作を行ったりできる。
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