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砂漠発・日本行き、ソフトバンクが目指す壮大な電力計画スマートグリッド(1/2 ページ)

ソフトバンクがモンゴルにおける風力発電事業に乗り出す。最終的にはモンゴルと日本を高圧直流送電線で結び、日本へも送電できるようにする計画だ。

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砂漠発・日本行き、ソフトバンクが目指す壮大な電力計画
モンゴルと日本

 モンゴルは中央アジアに位置する高原の国だ。国土面積は日本の約4倍と広い。しかし、人口は45分の1と少ない。再生可能エネルギーの欠点は、エネルギー密度が低いことだが、人の住まない土地がどこまでも広がるモンゴルでは問題にならない(図1)。

 モンゴルは広い国土に国民が散らばっているため、電力線を張り巡らし、くまなく電力を供給することが難しい。このため、ソム(村)単位で電力を自給する取り組みが進んでいる*1)。小型風力と小型太陽光の併用を狙う。

*1) 早くも1998年には日本の国際協力事業団(JICA)が「モンゴル国 再生可能エネルギー利用地方電力供給計画調査」に取り組んでいる(調査結果)。


図1 モンゴルのゴビ砂漠 モンゴルの国土はステップの草原が広がるが、南部はゴビ砂漠に変わる。ゴビ砂漠は世界第4の広さであり、中国内モンゴル自治区にもまたがっている。砂丘というよりもうっすらと草が生えた荒野が広がる地域が多い。出典:デザーテック財団

 モンゴルにはこれまで全国的な気象観測データの蓄積が少なかったが、ソム単位の調査が進み、風力や日射量の月別変化が次第に明らかになってきた。年間を通して毎秒5m程度の一定の風が得られる地域も見つかった。これは欧州での風力発電適地に相当する条件である。

 クリーン技術などに関する投資会社であるモンゴルNewcomは、これまで国内の風況の調査を続けており、東京都や大阪府よりも広大な24万haの好立地を見つけたという。同社はモンゴル初の大規模風力発電所(出力50MW)を首都ウランバートルと同じ地域に建設中である。

ソフトバンクのプロジェクトが始動

 ソフトバンクはNewcomと共同で、風力発電に関するプロジェクトを開始する*2)

*2) なお、ソフトバンクは日本国内の数十箇所に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設し、200MWの発電規模を目指すとしており、既に5カ所の立地と規模を公表している。

 2012年3月12日、モンゴル首相のバトボルド(H.E.Sukhbaatar Batbold)氏同席の場で、ソフトバンクとNewcomが風力発電開発に向けた合意文書に調印。風況調査を目的とする合弁企業Clean Energy Asiaをモンゴルで速やかに設立することに同意した。「2012年4月中の設立を予定している」(ソフトバンク)。

 ソフトバンクはこの合意文書とは別の取り組みも進めている。風力発電事業に関するものだ。「3月10日にソフトバンク、Newcom、韓国電力公社(KEPCO)が共同で発電事業に取り組むことに同意しており、正式調印を残すだけの段階にある」(ソフトバンク)。Newcomが見つけた24万haの立地も候補であるという*3)

*3) ソフトバンクとNewcomが設立するClean Energy Asiaは、風況調査について広く他社とも協力するとしている。風力発電事業を狙う3社のためだけに存在する企業ではない。

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