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Android搭載タブレット端末で成功する鍵とは何か金山二郎のAndroid Watch(4)(3/3 ページ)

金山二郎のAndroid Watchの第4回。発売当初、さまざまな課題により普及に結び付かなかったAndroid搭載タブレット端末だが、最近、急速に進化を遂げている。「IceCreamSandwich」の登場、高性能なCPUが安価に手に入るようになったことを背景に、スマートフォンやタブレット端末にとどまらず、多種多様な組み込み機器にまでその活躍の場が広がりそうだ。今回はこうした流れを踏まえ、Android搭載タブレット端末の今後あるべき姿に迫る。

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Android搭載タブレット端末の進む道

 Kindle Fireが、“Android搭載タブレット端末”であるか、“電子書籍端末”であるかという議論がなされる一方、Kindle Fireは“Android搭載組み込み機器”の成功事例であるという捉え方ができます。iPadはもう数年は70%程度のシェアを維持すると見られていますが、Kindle Fireのような成功事例が幾つか積み重なっただけでも、数の上ではiPadを追い越してしまうはずです。

 こうして見ると、iPadと“タブレット端末”という土俵でぶつかり合うことも、マーケットで張り合うことも、Android搭載タブレット端末の本質からそれた行為のように考えられます。たとえiPadが汎用タブレット端末として確固たる地位を保持しているとしても、Androidには、ひと手間かけて、Kindle Fireのようにある特定用途向けにあつらえるというiPadには決してマネのできない芸当が可能だからです。すなわち、Androidには、iPadが攻め入ることができない、しかもタブレット端末など比較にならないほど大きい市場にリーチできる可能性が秘められているのです(図3)。

筆者によるタブレット端末シェアの推移予想
図3 筆者によるタブレット端末シェアの推移予想。Kindle Fireは堅調を示し、たくさんの専用Android搭載タブレット端末が登場、その幾つかが爆発的な売れ行きを見せた場合、2013年ごろにはiPadや汎用Androidタブレット端末はその中に埋もれてしまう可能性がある

 Kindle Fireに倣って、同業他社あるいはそれに近い事業者が同じような端末をリリースしています。例えば、ネット通販専用端末などは、ユーザーがその用途(ショッピングをするという用途)について理解しやすいこともあり、PCやスマートフォン、タブレット端末の扱いや、ネットショッピングに不慣れなユーザー層にも導入してもらいやすいといえるでしょう。また、ホームネットワークの分野でも、Android搭載タブレット端末を適宜配置することで旧来のシステムよりもぐっと便利に、しかもそれほど大きな投資も必要とせずに実現できるでしょう。

 その他にも、免許センターに設置されている免許証のICチップ情報を確認する端末、家電量販店の写真プリント端末、証明写真端末、名刺印刷端末、ATMといった特定用途端末は全て置き換えの対象となり得ます。これまで、そのような端末はWindowsベースであったり、他のRTOS(Real Time Operating System)の上に作り込まれたものが中心でしたが、こうした端末はAndroid搭載タブレット端末を少々改造してはめ込み、アプリを1〜2本用意するだけで実現できてしまいます。

 もちろん、STBやTVには間違いなく入り込んでいくでしょうし、HGW(Home Gateway)などにも高機能化という点で採用される可能性は十分にあります。前回も触れた震災関係では、ガイガーカウンターなどのセンサー類をつなぐ情報端末として、また、スマートメーターなどにも当然利用できます。

 このように、私たちの生活の中でAndroid搭載機器があふれかえる状況になれば、Androidを軸にしたサービス展開がぐっとやりやすくなります。タブレット端末であることにこだわらず、あるビジネスモデルにおけるパーツとして捉えることが、Android搭載タブレット端末の良い生かし方につながると筆者は思います。

 ところで、Android搭載機器があふれかえると述べましたが、一般家庭において、実際のところ何台くらいになるのでしょうか。筆者の予想としては10台未満くらいだと考えます。「ちょっと多いのでは?」と思われるかもしれませんが、ドアホンやお風呂場に据え付けるようなタイプのもの、そしてリビングに複数台あると仮定すると、あっという間にけっこうな数になってしまいます。

 「1つにまとめられないのか?」という意見も聞こえてきそうですが、リモコンと同様で、少な過ぎると不便になります。適切な場所に適切な数が配置されるべきです。一方、その考え方だと「多くなり過ぎないのか?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。これも実は取り越し苦労に終わると考えられます。複数の業者が同じようなサービスを始めることが予想されますが、一般的にユーザーはどれか1つのサービスを選んで利用することになります。家庭で頻繁な操作が必要なサービスを何十種類も導入するとは考えられません。

 タブレット端末ベースのコンピューティングの在り方はまだまだ定まっていませんから、これから各家庭やオフィスでの試行錯誤を経て育てられていくことになります。試行錯誤に付き合うのは大変ではありますが、しかし、革新的なサービスも幾つか登場することでしょう。AppleのApp Storeが盛り上がっていったころ、バグに悩まされながらも、端末にインストールしたアプリケーションが頻繁にアップデートされるのを楽しんでいたのを思い出します。2012年は間違いなく、Android搭載機器がちまたにあふれかえるという現象が起こります。家庭やオフィスがどんどん快適になっていく様を、早く自身で体感したいものです。(次回に続く)

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著者プロフィール

金山二郎(かなやまじろう)氏

株式会社イーフロー 技術本部長。Java黎明(れいめい)期から組み込みJavaを専門に活動している。10年以上の経験に基づく技術とアイデアを、最近はAndroidプログラムの開発で活用している。


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