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平たいポメラ DM100の薄型・軽量設計の軌跡:隣のメカ設計事情レポート(8)(3/4 ページ)
これまでのポメラと大きく形状が変わった、平たい「DM100」。その機構設計も大きく変わった。その薄型・軽量設計の貴重な資料を大公開。
電池の位置をどうするか
電池格納部は独立したユニットになっており、最終的にはキーボードの下にくるように配置。この位置では、厚み方向に不利となる。かといって、キーボード後部に電池格納部を配置すると、15mm以上も外形が張り出すことになってしまう。
よって、電池格納部はキーボード下後部に組み込む形状で頑張ることに。電池ユニットの部品は、とことん肉抜きされ、最終的に大半を開口した。セットする電池の電極を示す刻印は、下筐体に付けた。
さらにほかの部品との締結の工夫などで、筐体全体をどんどん薄くしていった。
共締めや熱溶着を多用する
キーボード側筐体ユニットでは、キーボードユニット背面の板金部のタップを使ってネジ止めしていく。電池格納部は、下筐体の縁にあるタップ3カ所に固定する。以下は手作り試作時の図なので、電池格納部は上記で紹介したような形状になっていない。部品組み付けは量産時も基本的に変わっていないが、タップの数は量産試作(2011年3月初旬から開始)時点でだいぶ削減しているとのことだ。
LCD側の筐体ユニットでは、部品同士はなるべく共締めする。極限に減らしたネジを使って、挟めるものは何でもそこに挟んでいく。ABS製のフレーム(ベゼル)にLCD、基板、板金、ヒンジ、電池ユニットを全て組み、トップパネルに留める。
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