連載
電力を変える蓄電システムの底力:小寺信良のEnergy Future(12)(1/4 ページ)
蓄電システムは実にさまざまな用途で使われている。大容量蓄電システムを使うと、どのようなことができるのか、三洋電機を取り上げて、実例を紹介する。
今回は、三洋電機(パナソニック)の産業用蓄電システムにフォーカスしてみたい。大規模蓄電システムは送配電網で使用するクラスになるが、中小規模の産業用蓄電システムで何ができるのかを紹介したい。
2011年12月、三洋電機が公共・産業用リチウムイオン蓄電システム「LJ-ME15A」を発表、受注を開始した(図1)。納入は2012年2月からの予定だ。蓄電容量は15kWh、価格は770万円(税別)。三洋電機が開発した製品を親会社であるパナソニックが販売する。
パナソニックはこのジャンルで既に産業・住宅用として小型の製品「LJ-SA32A5K/同6K」と「LJ-SA16A5K/同6K」を製品化(図2)している(関連記事:住宅用大容量蓄電池をパナソニックが製品化、容量は1.6kWhと3.2kWh)。2011年10月に開催されたエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」ではさらに小型の家庭用蓄電システムも参考出品した(図3)。
従来、これらの蓄電システムは、太陽光発電システムとのセット利用を前提としたものだった(図4)。だが、今回のシリーズは太陽光にこだわっていない蓄電システムである。製品説明会での資料を基に、これらの製品が誕生した背景から見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.