ソフトバンクの太陽光事業、まずは北海道帯広から:スマートグリッド
ソフトバンクが太陽光発電設備の第1弾となる「帯広太陽光発電試験場」を稼働した。今後は苫小牧に別の試験場を建設し、大規模発電に必要な実証データを集める。
ソフトバンクは北海道帯広市に建設した「帯広太陽光発電試験場」の発電を開始したと2011年12月15日、発表した(図1)。同社初の太陽光発電施設である。同社は「自然エネルギー協議会」(35道府県が参加)を立ち上げ、地方自治体と連携して国内の十数カ所にメガソーラーを建設することを目指している。今回はメガソーラーの前段階となる実証実験の形だ。
実証試験であるため、北海道電力との系統連系や売電などは計画していない。発電の効率を高めるというよりも、さまざまな太陽電池モジュールを設置して、気象条件や日照量と発電量などの関連を調べるための設備である。日射計と気温計からのデータと、発電した電流、電圧を同時に計測する。
国内7社、中国2社、カナダ1社、合計10社の太陽電池モジュールを約10kWずつ集め、合計514枚設置した(図2)。Si(シリコン)太陽電池モジュールが9社と多く、化合物系はCISを提供したソーラーフロンティアのみである。モジュールごとに温度計を設置し、気象条件に加えて、Si(シリコン)など半導体の種類や製品ごとの発電量を調査、分析する*1)。
*1)東京工業大学大学院理工学研究科教授の小長井誠氏と、同助教の植田譲氏がデータ分析に協力する。
同社が帯広市を選択した理由は、日照時間が長いことだという。今後1年以上、発電実験を継続し、季節ごとの発電データを集める。発電データは一般に公開する予定だ。
今後は、年内にも北海道苫小牧市東部の2カ所(2000m2)に建設中の発電試験場で、実験を開始する。海側と山側の2カ所に出力40kWの設備を置き、帯広市との気象条件の違いによる影響を調べる。
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