「走り」と「モデル」のバランスが決め手!? ETロボコン2011 チャンピオンシップ大会:ETロボコン2011 レポート(3/3 ページ)
今年も「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト」、通称ETロボコンのチャンピオンシップ大会がパシフィコ横浜で開催された。本稿では競技部門の模様と総合結果についてお伝えする。
今回の注目チーム!? に「目立っていたで賞」を
結果紹介の前に……。番外編としてETロボコンレポート恒例(?)の「目立っていたで賞」を紹介したい。
画像24 女子チームで参加の沖縄地区「スーパーロジスティクス(所属:沖縄職業能力開発大学校 物流情報科)。卒業研究のテーマでロボコン制作を選択し、5月からロボットのプログラミング、設計図作成に取り組んできたという。大会終了後、「地区大会では調子がよかったのでチャンピオンシップ大会で成績が残せず残念。でも、チャンピオンシップ大会を経験できたことは本当によかった」と語ってくれた3人。卒業後は、1人が進学、2人は物流や情報系などプログラミングとは離れた職種に就く予定とのこと
チームのユニフォームをそろえて出場するチームが増え、“大会そのものを楽しんでいる”といった様子も目立った。中には個性的なコスチュームも!?
ETロボコン2011 受賞発表&表彰式
それでは、競技部門、モデル部門、総合(競技部門+モデル部門)の各ベスト3を紹介していこう。
順位 | チーム名 | 所属 | 参加地区 |
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1位 | Champagne Fight | リコーITソリューションズ ES事業部 第1開発センター ES第1開発部 | 北海道 |
2位 | HELIOS | アドヴィックス | 東海 |
3位 | Impressions | パルステック工業 | 東海 |
競技部門 |
画像31 競技部門の優勝は、北海道地区から出場の「Champagne Fight(所属:リコーITソリューションズ ES事業部 第1開発センター ES第1開発部)」。インコースを走った第1ラウンドでは21.1秒、難所全クリアでリザルトタイムが−18.9秒、アウトコースを走った第2ラウンドでは21.4秒、相撲以外の難所を全クリアしてリザルトタイム−18.6秒という高得点をマーク!l
順位 | チーム名 | 所属 | 参加地区 |
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エクセレントモデル | HELIOS | アドヴィックス | 東海 |
ゴールドモデル | おやじプログラマーず | エィ・ダブリュ・ソフトウェア | 東海 |
シルバーモデル | R-GRAY NEXT | ソフトウェアコントロール 西日本事業部 | 関西 |
モデル部門 |
画像32 モデル部門では、「例年通り手堅く分かりやすくまとまっていた」と評価を受けたHELIOSがエクセレントモデルに選ばれた。「製造モデルがとにかく優れていた、設計モデルもよくできていた」と評価を受けた東海地区の「おやじプログラマーず(所属:エィ・ダブリュ・ソフトウェア)」がゴールドモデルを、「モデルも精密で、かつ、読むのが難しいモデルが多い中で、トレーサビリティーも取れていて加速性も優れていた」との評価を受けた関西地区の「R-GRAY NEXT(所属:ソフトウェアコントロール 西日本事業部)」がシルバーモデルを獲得
順位 | チーム名 | 所属 | 参加地区 |
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優勝 | HELIOS | アドヴィックス | 東海 |
準優勝 | おやじプログラマーず | エィ・ダブリュ・ソフトウェア | 東海 |
3位 | Champagne Fight | リコーITソリューションズ ES事業部 第1開発センター ES第1開発部 | 北海道 |
総合成績(競技部門+モデル部門) |
画像33 競技部門で2位、モデル部門でエクセレントモデルを獲得したHELIOSが総合部門での優勝となった。HELIOSは同じ部署のメンバーを中心に結成されたチームで、毎年後輩にノウハウを引き継ぎながらETロボコン活動に取り組んできた。「活動(時間)の制約が厳しい中、いろいろと苦労もありましたが、後輩たちが本当によく頑張ってくれました」とチームリーダーの酒井さん
関連リンク: | |
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⇒ | チャンピオンシップ大会 表彰チーム(公式サイト) |
また、特別賞も贈られた。TOPPERS賞を北陸地区の「雷鳥33号金沢行き(所属:NECソフトウェア北陸)」が、IPA賞を南関東地区の「BERMUDA(所属:富士通コンピュータテクノロジーズ)」が、情報処理学会 若手奨励賞を九州地区の「はばたき隊(所属:九州大学 大学院システム情報科学府 情報学専攻)」がそれぞれ受賞した。
閉会式では、ETロボコン実行委員会側が「これまでの大会では、いつも“だらしないぞ!”と、げきを飛ばしていたのですが今回は感激しました。本当にすごい! これぞチャンピオンシップ大会という走りを見せてくれました。次回の難易度をどう設定したらいいか……、われわれがプレッシャーを感じるほど、とにかく素晴らしいタイムを出してくれました」と感無量といった様子で語り、大会の幕を閉じた。
今大会は“走りとモデルのバランス”の取れたチームが好結果を残すという、ETロボコンのテーマの本質に沿ったチャンピオンシップ大会であったと思う。今回の競技の様子を踏まえて、次回は実行委員会側もより“ひねり”を加えた競技内容を打ち出してくるかもしれない。
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