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EV150万台やプラグイン型、日産自動車が2016年度までに6種類を発売電気自動車(1/2 ページ)

3種類の新EV、新HEV、PHV、FCV……。日産自動車は環境対応車のラインアップを充実し、ゼロエミッションカーで世界ナンバーワンを狙う。燃費向上や二酸化炭素排出量削減の数値目標も掲げた。

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 日産自動車は2011年10月21日、2016年度までの6年に及ぶ中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2016(NGP2016)」を発表した。基礎研究と先行開発予算の7割*1)を環境技術に投資する。低炭素化、再生可能エネルギーへの転換、資源の多様化がキーワードだ。

*1)2010年度の研究開発費の総額は3993億円(実績値)。2011年度第1四半期は865億円(実績値)。

 日産自動車は、走行時にCO2(二酸化炭素)や排出ガスを出さないEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車を)をゼロエミッション車と定義しており、ゼロエミッション車に注力する。HEVやPHVを中心に据えるトヨタ自動車とは異なる戦略を採った。

 NGP2016では、2016年度までに達成する目標を4つ定めた。そのうちの2つがEV(電気自動車)関連だ。

4車種のEVで累計150万台を狙う

 NGP2016の最初の目標はゼロエミション車で世界ナンバーワンになることだ。EVの販売目標を累計150万台*2)とした。これは仏ルノーとの合計値だ。目標達成のため、「リーフ」を含む4車種を世界市場で発売する(図1)。

*2)2011年10月現在のリーフの累計販売台数は1万5000台以上。


図1 日産自動車とルノーが世界市場で発売する4車種 左上は「リーフ」。出典:日産自動車

 加えて、ダイムラーとの協力に基づいて新型のFCV(燃料電池車)*3)を開発する。なお、日産自動車は2011年10月にも、低コスト化が可能で小型の新燃料電池スタックを公開している(図2、関連記事:「燃料電池」「非接触充電」「住宅への給電」、日産自動車が先進技術を公開)。

*3)日産自動車は「X-TRAIL FCV」を限定リース販売済みであり、ダイムラーもFCVの「メルセデス・ベンツ BクラスF-CELL」のリース販売を2011年に開始している。両社の技術を融合した形になるようだ。


図2 燃料電池スタック 2005年版の燃料電池スタック(左)と比べて新開発品は、体積を半分に、コストを6分の1に抑えた。出典:日産自動車

二次電池を武器にする


図3 EV関連技術で首位を目指す EV用バッテリー(二次電池)をエネルギー蓄積システムに使う(左)他、EVに利用する二次電池を量産し(中央)、EVをスマートコミュニティの核に据える(右)。出典:日産自動車


図4 エネルギー貯蔵システムの例 日産自動車本社の屋根に設置した太陽電池(上)から電力を得る実証実験の内容。EV用二次電池を定置型として使い(中央)、充電システム(下)と組み合わせる。出典:日産自動車

 EVの関連技術では、3つある(図3)。まず。EV駆動用バッテリー(二次電池)の市場投入量でグローバルリーダーとなることを挙げた。2015年までに二次電池の生産能力を50万基まで高めることだ。

 次に、EVの使用済み二次電池を活用した「エネルギー貯蔵」システムの商品化をうたう(図4)。日産自動車とフォーアールエナジーは、2011年7月に太陽光発電(40kW)とリーフ用リチウムイオン二次電池(最大96kW)を組み合わせたEV用充電システムを開発し、実証実験を開始したことを発表している。系統電力を使わない充電が可能になる。

 最後に、EV充放電制御技術と情報ネットワークを開発すること、スマートハウスやスマートコミュニティ、スマートグリッドの実証実験を開始することを挙げた。実証実験はまず横浜市で実施する。

 NGP2016に掲げた第2の目標は、燃費の向上だ。北米や欧州、日本は法令で燃費の目標が定められているため、さまざまな技術を開発して達成しなければならない。日産自動車の手法はどのようなものだろうか。

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