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使った分しか課金しない3次元プリンタ利用サービスアルテックが3次元プリンタ新サービスを発表

アルテックは使った分だけ課金する3次元プリンタのペイ・パー・ユース・サービスを開始する。日本における3次元プリンタ低価格帯市場拡大を狙う。

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 産業機械輸入商社のアルテックは2011年9月15日、同社が代理販売するObjetのエントリーモデル3次元プリンタ「Objet24」によるペイ・パー・ユース・サービスの提供を発表した。同サービスは同年10月1日から開始予定(既存顧客に対しては既に同サービスの案内が始まっている)。

 このペイ・パー・ユース・サービスは従来のレンタルサービスとは異なり、使用した樹脂材料およびサポート材料の量に応じて課金される。使用しなければ、一切課金はない。利用の上限も定めないとのこと。費用は樹脂材料・サポート材ともに、グラム毎で99円(税抜き)。その他、初期費用などは一切掛からない。

 同サービスには、以下の内容が含まれる(454万6千円相当:参考価格)。

  • Objet24本体(オペレーティングソフトウェア「Objet Studio」を含む)
  • 専用架台
  • 専用サーバPC
  • Objet24専用 樹脂カウントソフト「Account Reporter」:課金の際のデータを作成する。
  • サポート除去装置「循環式 Water Jet」(水道設備は不要)
  • オペレーショントレーニング:1.5日
  • 保守費用(消耗品、部品を含む)

 機器の搬入・設置・撤去などサービス開始/終了時に発生する費用は同社が負担する。サービス利用期間の上限は2カ月で、継続利用を希望する場合は買い取りも可能だ。その場合、当然済んでしまった分(搬入・設置やトレーニングの費用:30万円相当)の費用は掛からない。併せて、同サービス利用者対象の買い取りの場合の料金プランも検討中とのことだ。

 Objet24のスペックは、以下の通り。

  • 造形サイズ:(X)234×(Y)192.6×(Z)148.6(mm)
  • 樹脂材料:VeroWhitePlus(アクリル系白色硬質樹脂)の1種のみ
  • 積層ピッチ:28μm
  • 寸法精度:±0.1mm
  • 造形解像度:(X)600、(Y)600、(Z)900(dpi)
  • 本体寸法:825×620×590(mm)、重量:93kg
  • 本体販売価格:248万円

 サービス開始時点には10台用意するが、反響次第で台数を増やすことも検討する。企業だけではなく、個人でも利用可能だ。例えば沖縄のような離島であっても「もちろん設置しに行きます!」(同社)とのことだ。

 従来ハイエンド市場(本記事では「高価格」「高精度・多機能」寄りの市場とする)を強みといてきたObjet製品だが、全世界の3次元プリンタ市場の6〜7割を占めるというローエンド市場(本記事では「低価格」「低精度・単機能」寄りの市場とする)におけるObjet製品のシェア拡大を目指すという。Objet社は2011年2月にエントリーモデル「Objet24/30」を発売し、ローエンドモデルを強みとしてきた競合他社と同じ検討土俵に乗る。Objetブランド認知拡大により、ハイエンドモデル移行も促進させることも狙っている。

 さらに今回、アルテックが提供するペイ・パー・ユース・サービスによって、日本におけるローエンド市場のシェア拡大および認知拡大の促進を狙う。

Objet24
ペイ・パー・ユース・サービスで貸し出されるObjet24

 同社では、以前からObjetのオフィスモデル「Eden260」(生産中止機種)でレンタルサービスを実施している(現在も継続中)。こちらは、月額で60万円(税抜き)で、「材料は使いたい放題」のプランだ。これまでレンタルした企業の約半数が購入に至っているとのこと。その実績とユーザーのリクエストから、今回のペイ・パー・ユース・サービスが生まれることになったという。

実際、いくらぐらい掛かるのか

 以下は、Objet24 ペイ・パー・ユース・サービスを利用した場合における、サンプル品によるコスト計算例だ。ボディ部分だけではなく、サポート材料も加算されることに注意したい。材料を効率的に使うための配置、サポート材料の設定は、ソフトウェア「Objet Studio」が自動的に検討してくれる。

     スパナ(160×53×11.5mm)=モデル42g+サポート29g⇒7029円

 造形時間は2時間13分。3次元プリンタでは、パーツが組み上がった状態で造形可能だ。

       チェーン:モデル90g+サポート97g=1万8513円

 その構造故に、サポート材料を結構食ってしまう。上記同様、チェーンも連結したままの状態で造形できる。こちらの造形時間は3時間31分。

 上記を出力サービスビューローに依頼した場合は、価格は上記の数倍程度だと同社は説明する。

あの宮本記者モデルは、どうなの?

 いまは諸事情によりアルテック(東京テクニカルセンター:東陽町)に出向中(?)のねとらぼ 宮本真希記者の分身たち。今回の発表でアルテックに伺った際、久々に彼らと再会した。

宮本記者
“彼ら”との再会

 このモデルデータをそのままペイ・パー・ユース・サービスで製作した場合はいくら掛かるのか、ひとまず素直に算出してみた。

    ミニチュア全身(高さ約260mm):
    モデル508g+サポート265g⇒7万6527円

 Objet24で製作可能。あお向けに寝かして作るのがお勧め。個人で作るとしたら高価か。密に詰まったモデルのため、もっとコストダウンするにはパーツに分けたり肉抜きしたりするなどしてモデル重量を減らす工夫が必要だろう。

     胸像(高さ約180mm):換算不可

 Objet24だと、現状の寸法では残念ながらスケールダウンしないと作れない。寝かしても駄目。ねとらぼ編集部で「凶器になる」と騒がれたほどの重さなので、できるだけリーズナブルな価格で製作したい場合はもっとスケールダウンし、上記同様にパーツ分割や肉抜きする必要があるだろう。

 なお、「自分フィギュア化」企画時は、Objetのハイエンドモデル「Connex500」を利用し、VeroWhiteで出力している。

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