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俺におもちゃ買ってくれ〜そしてセクショナリズム〜TwitterからあふれたCAEの本音語り(3)(4/4 ページ)

高価なソフトの稟議では、経営層から当然費用対効果を求められる。「俺におもちゃ買ってくれよ〜!」と駄々をこねたくなる瞬間だ。

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駆け込み寺になってみるか

sojo2

うちは(事業が)ごく小規模なので、それこそ「丸投げできてもやりますよ!」ってくらいでやっています。「境界条件が分からなかったら、こっちで考えて設定します」「材料物性もなかったら、うちが探します」って。


南山2

そういうことやらないと、生き残れないよね?


sojo2

それもありますけど。お客さんところには設備や解析ソフトウェアはあるけど、それを使える人間がいないんです……。それが多分、一番の壁なんです。正直言って、僕らみたいな、完全な受託っていう仕事は、理想ではなくなったほうがいいと思っています。


南山2

そうだよね。


sojo2

(可能ならば)全部、(外注ではなく会社の)中でやったほうがいい。でも、受託解析がなくならないっていうのは、人の問題もありますし、(解析には)設計者がやるべき領域ではない非常に難しい領域もあります。そういうのは、うち(への依頼)でも、ちょこちょこ、あります。例えば弾塑性、塑性加工、熱応力、疲労とか。それは、設計者が手を出しにいけないところだと思うんですよね。それをやりながら設計って、多分できないと思うんです。そういう意味で、まあ、うちが「駆け込み寺」じゃないですけど……。


南山2

「駆け込み寺」っていう付加価値は、僕は推進の中で1つ、すっごく大事だと思ってる。請負って時点で、駆け込み寺なんだけど……。でも僕は、駆け込み寺って位置も、いいと思う。それって、付加価値じゃん。そのコンセプトをもっと広げていけば……。

例えば、設計者が困ったら、「JIKOさんところいけば、なんとかしてくれる」「きっとシミュレーションって、なんか答えをやっつけてくれるのかな」って。

それが、会社の中で「なりたい」理想なんだって。そうなってくれたら、“なくならない”この部署が――つのだこさんが言ったようにこの部署がなくならないように、僕らが作り出せる価値なのかなって思う。


JIKO

それは私も思います。そこ(“駆け込み寺”的な業務)を専任者がやる、と。まず、「設計者ができるところは、設計者でやってもらう」ように支援していくというのが、いまはまだできていないんですけど、そこまでやれたら、そういう領域にいきたいな、と思います。


南山2

多分、そういうの目指すところだし、そうありたいね。 僕らがね。


どこまでやればいいのか

――「解析ソフトウェアは非常に高価である」「設計者から見ると、解析ソフトウェアは使いづらい」という話から、ソウジョウ氏の受託業務での取り組みについて話が移っていく。

sojo2

最近、(お客さんのために)解析のマクロ組んであげて、それごと納品して、「パラメータを振るのはお客さん」、というのをやっています。


南山2

あー、それはいいね!


sojo2

それぐらいまで落とし込んでいって、計算条件を見つけるのはメーカーの中でやっていただく、と。そういう格好が僕らの――僕が今後もCAE専任でずっとやっていくかどうかは分かりませんが ――1つの道だと思います。お客さんの中で、それができる程度に使える人がいてほしいな、という。

そうした状況に少しでも近づけるように、 ベンダーさんから依頼を受けてお客さんところにセミナーをやりにもいっています。ベンダーさんの中でもセミナーをやられているのですけど、あれだけやってもやっぱり、「使えない」っていうような状況で……。


南山2

それ、設計者が使おうとしてっていう?


水出2

設計者でも、専任者でも?


南山2

解析ソフトは、フルで使うと、専任者だって、「んん?」っていう世界だよね。

僕は、会社のシステムや投資について、直近のことやこれからのこと、親会社さんともリンクして、「どうやっていくのか」、そういうことを考えるミッションを与えられました。

で、「もしかしたら、シミュレーションって概念が、なくなるんじゃないか」って。最近、仮想現実の世界ってすごく、発達してきているじゃないですか。これからも多分、発達していくだろうし。そうすると、いまはシミュレーション屋で理論をごろごろこねる人たちがいるけど、そういう人の存在付加価値が、すごく小さくなってくると思う。

だからそのときに、「僕は、どうしていくの?」、ユーザーとして、推進者として……。最近、そういうことをすごく考えるようになった。

キヤノンの仕組み(同社の開発するMR技術を利用した3次元CAD「AIRCAD」)なんて、ビックラこくよねぇ。3次元CADで描いて――多分、手袋のマウス持って、金づち持って、ぼこって倒す。……なんていう世界が来るんだよ。多分、10年後とか、確実に来るんだろうなって。だから、いま僕らが「こんなレベル」でいいのかな、というのはすごく思う。


――技術者が実現象を再現するために専門知識を駆使して試行錯誤するまでもなく、進化した仮想現実の技術がコンピュータの中に自動的に、実際の世界さながらの仮想世界を作り上げる。そんな日がくるのかもしれない。そうなった暁には、“シミュレーションの業務”というものは、必要がなくなってしまうのだろうか……。

(次回へ続く)

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