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あなたの街にもメガソーラー、うまく立ち上げるにはスマートグリッド(2/2 ページ)

太陽電池を大量に集積したメガソーラーの導入が国内でもようやく進み始めた。しかし、住宅や公共機関など屋根上への設置と比べて、規模や設備の性格が大きく異なる。地方自治体が導入を検討する際の資料が欲しい。メガソーラー2拠点の実証実験の結果から、NEDOが導入検討に役立つ手引き書を作り上げた。

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雪国型と晴天型の違い

 NEDOが手引書を制作する際にデータを抽出した2カ所のメガソーラーは、そもそもどのような性格を帯びた太陽光発電所だったのだろうか。

 2カ所のメガソーラーはシステムの構成や設置条件、実証した内容などさまざまな点で異なっている。一言でいえば、雪国型か、晴天型かである。

 北海道電力と稚内市が委託を受けた容量5MWのメガソーラー「稚内サイト」(図4)では日照条件によって出力が変化する太陽光発電の出力平準化実験に重点を置いた。これはメガソーラーを系統に連系(接続)する際には欠かせない技術だ。メガソーラーの大出力によって系統側の電圧や周波数、波形のゆがみなどさまざまな影響が現れる。

 例えば、出力変動抑制制御を実行しないと、出力の最大変動率が66%に達していたが、1分ごとに制御すると4%に低下することが分かった*1)

*1)NAS電池の容量が太陽光発電の容量に比べて小さいため、最大幅の発電変動には本来対応できない。このため、発電実績の移動平均値を目標値として計算し、制御することが多い。稚内サイトでは出力変動幅の中心値を目標値として使うことで、最大変動幅をより小さくできたという。

 年平均気温7度、年間降雪量600cm以上に達する同地の気象条件の影響も確かめた。具体的には、気象予測データを利用して、出力制御の精度を高めた。

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図4 稚内サイトの外観 容量5MWの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール2万8500枚)を合計容量1.5MWのNAS電池2個と接続して出力を平準化している。敷地面積約14ha。太陽電池の傾き(30〜45度)や設置高さ(1〜2m)をさまざまに変えて、コストや強度、積雪への対応を調べた。写真は工事中の様子。出典:北海道電力

 山梨県北杜市とNTTファシリティーズが委託を受けた容量1.8MWの「北杜サイト」(図5)では多様な太陽電池について検証を重ねた。北杜市は国内でも最も年間日照時間が長い地域であり、夏季の気温も低く、設置条件の良いメガソーラーの一例といえる。

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図5 北杜サイトの外観 メーカーが異なるさまざまな方式の太陽電池モジュールを採用し、容量1.8MWの発電所として機能させている。9カ国から27種類の太陽電池を導入した。さまざまな結晶Si系だけでなく、薄膜Si系や化合物系(CIGSとGaAs)太陽電池も使用している。GaAs(ガリウムヒ素)太陽電池は、追尾システムを備えた700倍の集光型太陽電池として用いた。66kVの特別高圧系統と国内で初めて連系した太陽光発電所でもある。敷地面積約10ha。出典:NEDO

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