8分で検証! 手計算とフリーソフトの結果比較:設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(10)(3/3 ページ)
本連載中に登場した片持ちばりを例に、フリーソフトでちゃんとした答えが出るのかどうか検証した。
ステップ6 解析を実行して結果を表示する
これですべての解析条件が整いました。さていよいよ解析です。「=」のアイコンで解析実行です。解析はあっという間に終わってしまいます。5秒もかからないくらいです。
解析の経過を示すウィンドウが黄緑になったら解析がうまく流れた証拠です。そして同じウィンドウの「Post Processor」というボタンが押せるようになります。このボタンを押して、早速結果を表示してみましょう。
いきなり変形図が表示されます。荷重を掛けた端面近傍が0.217mmの変形。手計算で求めた片持ちばりの理論解が0.218mmですから、ドンピシャといっていいでしょう。
ミーゼス応力を表示したり、結果をいろいろと表示したりしてみてください。ここまで操作時間としては1分かかりません。フリーソフトでもちゃんとした解析ができることが分かりました。メッシュサイズをもっと大きくしたらどうなるか、一次要素でやってみたらどうなるか、ぜひいろいろと試してみてください。
ここまでの設定をすべて終えたLISAのファイルを以下に置いておきますので、必要な方はダウンロードしてください。
8分もあれば、解析できます
今回はフリーソフトによる有限要素解析の総集編でした。ムービーのトータル時間は8分弱。たったこれだけの時間で片持ちばりの解析ができてしまうのです。ムービーは分かりやすさ重視でゆっくりと操作しているので、実作業であれば5分くらいだと思います。
荷重や拘束の節点を選択するときに面倒さを感じてしまうでしょう。市販のソフトはこのあたりはさすがに気が利いたUI(ユーザーインターフェイス)となっています。でも結局は荷重と拘束は節点に設定されるのです。
次回は有限要素法の式と絡めて、荷重と拘束について説明します(次回へ続く)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.