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分かってもらうための社内稟議プレゼンは3ステップで技術系男子のための企画&プレゼン講座(2)(2/3 ページ)

上司や役員に分かってもらうプレゼン作りにはコツがある! 思いを詰め込みすぎて失敗した経験のあるエンジニアは必見

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プレゼン作成のABCの「B」:シナリオがプレゼンの成否を分ける

 プレゼンのゴールが明確になったら、次はシナリオ作りです。ゴールを導くシナリオを作れるかどうかで、プレゼンの成否は大きく左右されます。

 ここからパワーポイントでの作業になりますが、パワーポイントを使い出すと、作業自体に没頭し、『ゴールを導くシナリオ作成』という本来の目的を見失うということもよくあります。このような状況を避けるために、先に作成したゴールはぜひプレゼンの1枚目に記載し、常に参照できるようにしておきましょう。

スライド数は時間から逆算して設定する

 シナリオ作りは、望むゴールを達成するために、限られた時間の中でどのような順序でどのような内容を伝えていけばいいかを考える作業です。プレゼン時間は最も大きな制約条件になりますので、時間から逆算して、使用できるスライドの数を想定します。

 スライドの枚数は、話し手のタイプや盛り込む内容によっても当然異なってきますが、目安としては1分30秒から2分で1枚というのが、話し手にも聞き手にもペースをつかみやすいボリュームだと思います。この場合、20分なら10枚から13枚、30分なら15枚から20枚のスライドになります。

キーメッセージの配置

 おおよそのスライド数が決まったら、各ページのタイトルに、ゴールを達成するために伝えなくてはならないだろうと思う項目を1ページに付き1つずつ書き込んでいきます。社内の業務改善プロジェクトの提案であれば、前回の企画書に記載した8項目は盛り込まれることになるでしょう。そして、スライド数に余裕があれば、企画書項目(2)で紹介した「課題と方向性」は「現状の課題」で1枚、「解決の方向性」で1枚と分けることもできますし、施策についても施策の数だけスライドを使うことができます。

 そして、シナリオの項目ともいえるタイトルが決まったら、そこで伝えたいメッセージは何かを、スライド内に文字で書いておきます。この、スライドで最も伝えたいメッセージを「キーメッセージ」と呼びます。

社内稟議プレゼン用のスライド1枚に含めるべき情報
社内稟議プレゼン用のスライド1枚に含めるべき情報

「1スライド1メッセージ」のルール

 プレゼン技法の原則的なルールに「1スライド1メッセージ」というのがあるのはご存じでしょうか? これはほとんどのプレゼン技法の本などで共通してうたわれている原則です。

 「1枚のスライドには、1つのキーメッセージだけを盛り込むようにしよう」というもので、大切なメッセージを強く聞き手に印象付けるために有効な考え方です。

 この原則に従い、1つのシナリオの項目で複数のメッセージが思い浮かんだら、スライドを分けるという作業を行います。

 また、キーメッセージを効果的に伝えるためにこのスライドにどのような情報を盛り込んだらいいか、アイデアをいくつか記載しておくと、後の作業がもっと進めやすくなります。

「分かっていること」に時間を割かない

 業務改善などの企画の場合、現状や課題などの項目はプレゼンに必ず含まれてくる要素です。ここでの注意点は、たとえそれが必須の要素であっても、その内容(現状や課題)が社内ですでに周知の事実である場合、詳細に内容を記載したようなスライドを作らない、ということです。スライドは思い切って削除し、口頭で簡単に触れるか、残すとしても個条書きでポイントだけを記載する程度にとどめるようにしましょう。シナリオ作りに大切な視点には、「プレゼンの聞き手の時間を無駄にしない」というものもあります。特に経営層に向けたプレゼンの場合には、この点に十分配慮が必要です

キーマンになり切って構成をチェックする

 おもむろにスライドの作りこみに入るのではなく、このような形で下書き的に構成を考えることで、柔軟にシナリオを推敲することが可能になります。とはいえ、時間を掛けて作ったスライドは、削除した方がすっきりすると分かっても、ついつい残したくなるのが人情です。しかしながら、この思いが、多くの場合、ポイントがずれたプレゼンを生み出す要因になってしまっています。作業時間を短くし、よりゴールに焦点を絞ったプレゼンをするために、「分かっていること」を排除するこの方法はとても有効です。

シナリオの構成だけをチェックする

 ここまで出来上がったら、パワーポイントのスライド一覧表示を使って、全体の流れを見ながら、自分がキーマンになったつもりで、その流れで理解ができるか、不足しているメッセージはないかをチェックし、より分かりやすい流れになるように、スライドの入れ替えを行っていきます。そして、その流れでプレゼンのゴールが達成できると確信できてから、プレゼンスライドの作り込みに着手するようにします。

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