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樹脂部品設計ができなきゃ一人前とは呼ばせねぇ甚さんの設計サバイバル大特訓(2)(3/3 ページ)

樹脂部品の設計ができれば設計者として一人前といえる。一人前の設計者になるためには、やっぱり「断面急変」

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 ここで、第1回で予告した「設計サバイバル術の大道具」(図6)を、前ページの図5に示した断面急変部に導入します。つまり、設計変更を施します。その結果を図7に示します。

良

うわー! なんかカッコイーイ! まさに“一気にベテラン設計者”って感じの作品ですなぁ。


甚

良かったなぁ、良君。



図6 設計サバイバル術の大道具

図7 初心者の設計による樹脂箱の断面急変対策

 それでは、断面急変対策の前後をXYスキャンで確認します……といいたいところですが、敢えて、Z方向スキャンだけで確認してみましょう(図8)。まず、どうしてそこなのか? その理由は、後で良くんが教えてくれます。

甚

特に、図中の断面急変8〜12に注目しろ! これも命令だ。 “あいよー!”とか、軽々しくいうんじゃねぇぞ……。


良

あ……ああぃ……ンゲフンッ! ガッテン承知!



図8 断面急変の対策前後をZ方向スキャンで確認
良

なるほど! Z方向は短い距離の間に数多くの断面急変が存在しますね。もしかして、樹脂箱のZスキャンは必須の設計サバイバル術ですね! きっと、そうだ!


甚

そして、最後の仕上げで、3次元CADの機能であるスケルトン・モデル(透過表示)で確認しろ!(図9)。これができなきゃ、エリカちゃんと代われ!



図9 断面急変の対策前後をスケルトン・モデルで確認

 板金設計も立体的で複雑形状な場合は、XYZの3方向をスキャンしますが、樹脂部品設計の場合は、「変身度大=設計難易度大」ですので、必ず、Z方向の断面探索スキャンを施します。

良

甚さん! 僕は一気にベテラン設計者へ近づいたぁっ!


甚

応力集中だとか、樹脂材料の流動特性だとか、オジンの技術者はウンチクをやたらたれるものだが、オメェはしばらくの間、断面急変の探索スキャン一本で行けばいいよ。○○社長のように、いろいろ手を出すな! 一本だ、一本!」


 車が家電品の仲間入りするのも、もう間近です。そうすると、自動車も家電品やOA機器同様に、コストを決定付ける重要ポイントは樹脂や板金の部品となります。まずは、樹脂部品設計の「設計サバイバル術」を習得しましょう。

 次回の第3回も、難関である樹脂部品設計を攻め込みます。お楽しみに!

Profile

國井 良昌(くにい よしまさ)

技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会 幹事、埼玉県技術士会 幹事。日本設計工学会 会員。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。Webでは「システム工学設計法講座」を公開。著書に「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)がある。



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