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組み込みで使えるWindows 7の新機能トップ7組み込みOSの新潮流 −Windows 7−(2/4 ページ)

本稿では、マイクロソフトの販売代理店であるユニダックス主催の「組込みだってWindows 7!! 今日からすぐ使える最新機能 大活用セミナー」で講演を行ったマイクロソフトのセッション内容を基に、Windows Embeddedの製品ラインアップの概要と組み込み分野で使えるWindows 7の新機能について紹介する。

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Windows 7 for Embedded Systemsとは?

 前述のとおり、Windows 7ベースの組み込みOSとして正式リリースされ、すぐに利用できるものは、Windows 7 Professional for Embedded SystemsとWindows 7 Ultimate for Embedded Systemsの2つ(原稿執筆時点)。

 これらは「Windows 7 for Embedded Systems」と呼ばれ、Windows Embedded Enterprise製品に含まれる。

 Windows Embedded Enterpriseの特長をまとめると、

  1. デスクトップOSとの完全互換
  2. 組み込み機器用の制限ライセンス
  3. OEM Activationの利用
  4. 製品の長期供給

の4つが挙げられる。

 Windows Embedded Enterpriseは、デスクトップPC向けのWindowsと同じバイナリを使用できるが、デスクトップの非表示での利用や単一用途での利用(例えばPOS、KIOSK、サイネージなど)などの制限が設けられている。また、組み込み分野における製品サイクルに対応した長期供給(Windows 7 for Embedded Systems製品であれば2024年まで供給される)のほか、ある一定以上のボリュームで組み込み機器を製造・販売するメーカーに対し、OEMの事前ライセンス認証機能「OEM Activation」が提供される。

 なお現在、Windows Embedded Enterpriseには、今回紹介するWindows 7 Professional for Embedded SystemsとWindows 7 Ultimate for Embedded Systemsのほか、「Windows Vista Business for Embedded Systems」「Windows Vista Ultimate for Embedded Systems」「Windows XP Professional for Embedded Systems」がラインアップされている(画像3)。

Windows 7 for Embedded Systems
画像3 Windows 7 for Embedded Systems(マイクロソフトのプレゼンスライドより)

Windows 7 for Embedded Systemsのターゲットとメリット

永田 哲氏
画像4 マイクロソフト OEM統括本部 OEMエンベデッド本部 シニアテクノロジースペシャリスト 永田 哲氏

 マイクロソフトは、Windows 7 for Embedded Systemsのターゲット市場・分野として「流通」「医療」「金融」「産業」を挙げ、こうした分野で用いられるPOS、KIOSK、サイネージ、ATM(Automated Teller Machine)、FA(Factory Automation)用PC、医療用診断機材(エックス線、CTスキャン)、電子カルテなどのあらゆる機器をターゲットデバイスとしている。

 「マイクロソフトの最新テクノロジ(Windows 7)による、高度なユーザーインターフェイス、セキュリティと信頼性、高い生産性をこうした分野のすべての製造メーカーに提供していきたい」と、ユニダックス主催の「組込みだってWindows 7!! 今日からすぐ使える最新機能 大活用セミナー」で登壇したマイクロソフト OEM統括本部 OEMエンベデッド本部 シニアテクノロジースペシャリスト 永田 哲氏は語る。

Windows 7 for Embedded Systemsのターゲット
画像5 Windows 7 for Embedded Systemsのターゲット(マイクロソフトのプレゼンスライドより)

 また、Windows 7 for Embedded Systems採用のメリットについて、マイクロソフトは「パフォーマンス」「信頼性」「互換性」「接続性」の4つを挙げている。

 これらのポイントについて永田氏は、「Windowsタッチをはじめとする新機能だけでなく、(1)起動時間の向上・安定した動作などのパフォーマンス強化。(2)コンシューマ/エンタープライズ分野で培った数多くの実績・ノウハウがフィードバックされた最新製品であり、かつ新たな脅威に対し、日々信頼性向上に努めている点。(3)Windows XP/Vistaで使われてきた既存のアプリケーションやサービス、認証されたドライバとの互換性が保証されている点。(4)さまざまなIT環境、ネットワークリソースへの接続に必要なコンポーネント群がそろっており、より早く・より一貫した・より安全なアクセスが可能となる点が大きなメリットであり、これらが組み込み分野におけるWindows 7のキーメッセージだ」と語った。

キーメッセージ
画像6 キーメッセージ(マイクロソフトのプレゼンスライドより)

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