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インホイールモーター型電気自動車の世界的普及を目指すベンチャー「シムドライブ」が設立電気自動車(2/2 ページ)

慶応大で高性能電気自動車「Eliica」の開発を手がけた清水教授らを中心に、インホイールモーター型電気自動車技術を、ソフトウェアのオープンソース方式に似たやり方で普及させようというベンチャー企業が設立された。

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 清水社長が示した電気自動車普及モデルによると、「電気自動車用の電池は普及当初は高くなるが電気代は安く、また電池抜きの車体は非常に安くなる。このため、車体のみを販売し、電池の使用料・電気代を走行距離に応じて支払う形が考えられる」とする。

 シムドライブ車のビジネスロードマップは3段階に分かれており、SIM-Driveの普及モデルの検討・調査、テストマーケティングを行う準備段階をフェーズ1、SIM-Driveの標準化と先行開発車事業をフェーズ2、これを踏まえて実際の自動車製造のサポートや教育事業を行うフェーズ3となっている。「このモデルを用いた大量生産の自動車が2013年ごろに市場に出てきてほしい」(清水社長)

SIM-Driveが提案する普及モデル
高価な電池と車体を分離して車体価格を下げる

 フェーズ2のSIM-Drive標準化および先行開発車事業は、自動車メーカーや部品メーカー、材料メーカーなどを協同研究メンバーとして募り、2000万円程度の研究費と研究者を提供してもらうことで展開する。そこで得られたノウハウや技術は参加社は自由に持ち帰ることができる。およそ20社ほどの参加を想定しているという。先行開発車のイメージとしては、小型車だが高級車並みの加速感、室内広さ、乗り心地を備え、現在の小型電気自動車用と同程度の重さの電池を載せて満充電で300キロメートル走行可能で、10万台以上の大量生産時には電池を除いて150万円程度にできるという。また、SIM-Driveのプラットフォームは非常に簡単な台車構造となるため、既存の自動車の電気自動車化も比較的簡単に可能という。

 フェーズ3段階では、フェーズ2で開発された技術と情報を生産をする企業に広める。具体的にはインホイールモーター製造、プラットフォーム製造、完成車製造、既存車改造を手がける企業を想定している。シムドライブ社はこれら企業に対して、技術・ノウハウを移転するとともにコンサルティングを行う。SIM-Driveの製造を希望する企業は2〜3億円を支払うことですべての技術・ノウハウ、シムドライブ社のサポートを受けることができる。発売から一定期間(5年程度)は、販売実績に基づいた少額のロイヤリティーをシムドライブ社に支払うことになるが、その後はロイヤリティーの支払いは不要になる。

 設立説明会にはシムドライブ社役員・顧問ほか、慶応大教授・グローバルセキュリティ研究所所長の竹中平蔵氏や東京大学特任教授の村沢義久氏、日本科学未来館館長の毛利衛氏らがゲストとして出席し、地球環境のため電気自動車を広く普及させることの重要性や、シムドライブ社設立の意義について深い賛同のスピーチを贈っていた。

東大村沢特任教授が示した、米中で開発中の電気自動車
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