オレ、ハイブリッド車ってあまり好きじゃねぇなあ:甚さんの設計分析大特訓(10)(2/3 ページ)
最終回は甚さんが世の中のハイブリッド車の設計に喝(カツ)!! 「そっくりなカタログ作ってんじゃねぇよ」と怒る。
と、いうことで、いま激戦中であるハイブリッド車、その2車種の分析に入りますが、その前に、どうしても簡単な復習をしなくてはなりません。
ここで、「同思想戦略」と「トレードオフ戦略」の理解を深めておきましょう。
復習1 「同思想戦略」
競合機分析とは、「設計思想とその優先順位」を探ることでしたね。これを基に、競合を駆逐の戦略を企てます。まず、競合の設計思想とまったく同じ優先順位を設定するか、または優先順位を入れ替えるかを決定します。前者を「同思想戦略」、後者を「トレードオフ戦略」または、「トレードオフ」と呼びます。
【市場ナンバーワンの灯油ポンプ】に真っ向から挑戦するならば、優先第1位である「低コスト」に対してとなります。つまり1円でも安くしなくてはなりません。「設計思想とその優先順位」の順位を変えずに新規に市場参入する場合は、特に、強烈な性格を決定付ける第1位(低コスト)で勝負をかけます。
ところが、さらなる低コスト化に挑もうとも、すでに技術的には極められているのが現実です。従って、設計手段としては以下に示す2つしか存在しません。
- 低コスト化に寄与する新技術の開発とその導入
- 第2位、第3位の設計品質をちょっと落とす
「市場ナンバーワンの灯油ポンプ」を、ハイブリッド車の先発であるT社の「P」に置き換えてください。そして、H社の「I」が先行するT社の「P」を追撃します。その設計手段は、前記1と2をマークしておいてください。
復習2 「トレードオフ戦略」
市場でのオンリーワン商品やナンバーワン商品の「設計思想とその優先順位」をあえて避け、その優先順位を入れ替える、または新規に設定する商品戦略のことを「トレードオフ戦略」といいます。
トレードオフ戦略は、市場での実績が少ないため、マーケティングリサーチ(=市場調査)からやり直す場合があります。
甚さん、復習しました。特に『同思想戦略』と『トレードオフ戦略』を理解すればいいのですね。
良君、そのとおりだ。それじゃ、さっきのカタログから競合分析をやってみろ!
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